今回は「広さ」「契約形態」「ロケーション/アクセス」「コスト」、そしてデータセンター特有の項目である「ラック当たり電力」「空調設備」「ネットワーク」についてそれぞれ見ていきましょう。
広さ
データセンター全体の広さについては「総床面積」や「総ラック数」などがありますが、非公開のことも多く、住宅情報サイトのように情報は出てきません。住宅のようにあらかじめ間取りが決まっているわけではないので、「自社で利用したい広さ」をもとに問い合わせる必要があります。
基本となるのは、ハウジングで利用する「ラック数」です。(1)最低限・必須の条件としての「現状のラック数」に加えて、今後のシステム数の増減で数を出します(システムの将来計画を考える際に出しましたね)。
その他のポイントとしては、アプライアンスやストレージなど、横に連結して配置する機器がある場合は伝えておきます。
契約形態
家であれば、賃貸または分譲、最近は家具込のシェアハウスなどもありますね。データセンターのハウジングに限って言えば、「フロア単位」「ラック単位」「ラック内のユニット単位(1/2ラック、1/4ラックなど)」があります。ラック単位が中心です。
従来フロア単位で契約していたが、サーバーをクラウドに移管して減らしていくのに対応させるため、より柔軟な契約形態にしたい、という要望がある場合、(2)引っ越しを機に実現したい希望としてラック単位やユニット単位を検討しましょう。
ロケーション
家賃がやや高くなりますが職住近接できる「中心街」、ゆとりある部屋に比較的安く住める「地方」、広さも欲しいけれど通勤の利便も確保できる「郊外」、引っ越し先はどこがよいでしょうか。
データセンターのロケーションも、おおむね「中心街」「郊外」「地方」の3つに分けられます。これらのメリットとデメリットは住宅とほぼ同じ。自社またはベンダーからのアクセス、コスト(ラック単価)の2つの観点で、これからのデータセンターとして適切か考えていきます。
ロケーション | アクセス | コスト |
---|---|---|
中心街 | ◎ | 高い |
郊外 | ○ | 中間 |
地方 | × | 安い |
1.アクセスの観点
住宅でいう「通勤しやすいか?」と同じことですね。ハウジングの場合、自社保有の機器を配置します。構築や障害対応などでデータセンターにオンサイトすることを考えると、自社またはベンダーから一定時間内に公共交通機関で移動できることが必要です。中心街や郊外であれば2時間以内程度で移動することが可能でしょう。
地方で、交通手段が限られるエリアのデータセンターで、構築や障害対応をするのは、少なくない負担(出張費や移動時間)になります。また、サポートのベンダーの障害対応SLAを見直す必要があるかもしれません。