人材派遣などを行うウィルグループは、派遣社員管理システムのデータベース基盤として「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud(ADW)」を採用した。日本オラクルが発表した。
ADWは、「Oracle Exadata」を基盤としたクラウドサービス。自己稼働・自己保護・自己修復を特徴とし、容易な移行や構築が可能だ。また管理、拡張、監視、チューニングなどの自動化や、計画停止を含むダウンタイムからの自動的な保護を少ない運用工数で実行できる。
ウィルグループでは、オンプレミスで稼働している派遣社員管理システムを少人数のIT部門で運用し、トラブル対応やベンダー管理に非常に多くのITリソースがかかるという課題があった。同システムは、現在約2万人の社内外のスタッフが常時利用しており、事業の中枢を担うものとして位置づけられている。
同社は既に「Oracle Database」のユーザーであったこともあり、エンタープライズにおけるOracle Databaseの実績や信頼性に加え、構築・運用管理にリソースをかけずにデータベースを利用できる「Oracle Autonomous Database」の検証を行った。
既存システムをADWを活用したデータベース基盤に移行する検証を行い、本番に近いデータ量・環境にて数種類のテストを実行。その結果、特定のワークロードではオンプレミスと比較して10倍以上のパフォーマンスを得るなど、平均より高いパフォーマンスがあった。また、想定以上に手をかけずに移行が可能であると判明したため、ADWの採用に至ったとしている。
同社は、2020年までに現在のオンプレミスのシステムをADWを活用したシステム基盤に移行する予定。同社は今回の導入を契機に「現状65%の『守りのIT』への投資を2023年度には50%まで下げ、その分『攻めのIT』への投資を増加する」という目標の達成に向け、データ管理・分析や新たなHR(Human Resource)テックのサービス化など、デジタル変革への取り組みを加速させる。