Intelが自動運転の技術を開発しているイスラエル企業Mobileyeを約150億ドルで買収してから2年が経過したが、同社の年間成長率は、Intelの事業部門の中でもっとも高いという。Mobileyeの経営陣は現地時間11月5日、同社は今後、データの収益化と、新興のロボタクシー市場に進出することで成長を維持する計画であることを明らかにした。
Mobileyeのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるAmnon Shashua教授は、Mobileyeの本社で開催された投資家向け説明会で、ロボタクシー市場の有効市場規模が、2030年までに1600億ドル(約17兆円)に達するという予想について説明した。また、2030年の先進運転支援システム(ADAS)と、同システムで得られたデータの有効市場規模は、725億ドル(約7兆8000億円)になると予想されるという。
Shashua氏は、「わが社は、自動運転車用ADAS戦略に従って自己資金による研究開発を長期的に続けており、これによって(これらの市場の)重要セグメントに参入することが可能になる」と述べた。
Mobileyeのロボタクシー戦略の目標は、完全な「MaaS(Mobility as a Service:サービスとしての移動)」を提供することだ。
「わが社はフルスタックを提供することを目指している」とShashua氏は言う。「これには、自動運転システムの構築から始まり、経路の最適化や車両運行管理、需要の分析などのほかの要素も含まれる」
Mobileyeは2018年に、Volkswagen、Champion Motorsと協力して、ドライバーを乗せない自動運転車による送迎サービスをスタートさせる計画を発表している。これは「Pinta」と呼ばれるパイロット事業で、2022年までにイスラエルのテルアビブで商用化する予定になっている。
またMobileyeはこの日、RATP(パリ交通公団)グループと連携して、ロボタクシーシャトル事業をグローバルに展開することを検討していると明らかにした。パリ交通公団グループは欧州市場に強く、両社は2020年にパリで旅客輸送ソリューションのテストを開始する予定だという。
Shashua氏は、ロボタクシーは一般消費者向けの自動運転車という究極の目標に向かうための必要なステップだと語った。