Tableau Japanは11月28日、報道機関向けに記者説明会を開催。組織でデータ活用を実践する文化を醸成するために必要な手順を体系化したフレームワーク「Tableau Blueprint」を発表した。
Tableau Blueprintは、データを重視した組織を構築するために必要なプロセスを段階的に実行するためのガイダンスを提供するもの。11のステップに分かれており、データ分析戦略の立案からプロジェクトチームの構築を初期段階に、その後は「アジリティ」「習熟度」「コミュニティー」という3つの領域に分かれて専門性を深めていく。
Tableau Bluprintのイメージ図(出典:Tableau Japan)
Tableau Japan 社長の佐藤豊氏は会見で、「データドリブンな組織を作るには、人を中心とした取り組みが重要で、それに特化したアプローチが必要になる」といい、「顧客企業の取り組みからベストプラクティスをまとめ、再現可能なプロセスとしてフレームワークに落とし込んだ」と説明する。
併せて、調査会社のIDCと共同開発した「Data Readiness Index」(DRI)を用いたアジア太平洋地域(APAC)における調査結果を発表した。DRIとは、分析文化が組織に広く浸透し、データを業務の中核とした組織の能力を意味するという。
Tableau Japan 社長の佐藤豊氏
APAC(オーストラリア、中国、香港、インド、日本、シンガポール、韓国)の700以上の組織を対象に、「組織」「習熟度」「プロセス」「テクノロジー」「ガバナンス」の5つの項目から企業におけるデータの対応力を指数化し、成熟度を「先行」「発展途上」「遅滞」の2つの段階に分類した。DRIスコアの高い企業ほどデータ活用が進んでいるといえる。
調査結果によると、先行レベルの企業は、遅滞レベルの組織よりもビジネスパフォーマンスが平均90%高いことが分かった。しかしながら、先行レベルに入る企業は全体の20%にとどまっており、発展途上レベル(66%)、遅滞レベル(14%)という結果だったとしている。
国別のDRIスコアで見ると、日本(平均2.74)はオーストラリア(同3.54)とシンガポール(同3.52)に次いで3番目に位置付けられる。ただ、先行レベルでは大きな差があり、日本は8%、シンガポールは52%、オーストラリアは49.5%だった。日本は発展途上レベルの組織数(82%)が最も多くなった。「日本では、90%の企業がデータ文化の醸成に取り組んでいる状況」(佐藤氏)
国別によるDRIスコア(平均)の順位
また日本の組織は、ガバナンス、プロセス、テクノロジーを優先する一方で、人材開発を重視していないことも示されたという。従業員のデータスキルや組織全体にわたる協力体制などを促進力とするAPAC全体の結果とは対照的だと指摘している。