サウザンドアイズ・ジャパンは12月20日、新たなネットワーク監視サービス「Internet Insights」の国内提供を開始した。「インターネットを自社ネットワークのように、クラウドを自社データセンターのように監視」できる点を特徴とする。
ThousandEyesのJohn M.Clark氏
まず背景状況について説明したThousandEyes ソリューションエンジニアリング担当バイスプレジデントのJohn M.Clark氏は、現在の企業にとって「インターネットは従来の社内LANに、クラウドはデータセンターに相当する」と指摘。アプリケーションの実行環境が外部のリソースに依存するようになった結果、従来のオンプレミス環境で実現できていた「可視化/制御」ができなくなり、「デジタル体験は、IT部門の手の届かないプロバイダーやネットワークに大きく依存」するようになっていると語った。
この結果、インターネット側で何か障害が発生しても企業側では即座に対応することが困難なため、多額の損失を被る結果になっているとし、この問題の解決策として提供されるのがInternet Insightsだと位置付けた。
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続いて詳細を説明したプロダクトマーケティング担当ディレクターのAngelique Medina氏は、Internet Insightsの提供が6年前に「ThousandEyes」をリリースして以来のメジャーリリースだと位置付け、その意義を強調した。同氏によれば、Internet Insightsは、これまでユーザーごとに解析していたアプリケーションなどのパフォーマンス測定データをThousandEyes側に集約してグローバルに解析することでインターネット上の障害発生などを可視化するサービスとなる。
ThousandEyesのAngelique Medina氏
いわば、収集されていたが十分に活用されていなかったデータをきちんと分析することで新たな知見を導き出した形であり、Internet Insightsを実現するために新たなデータを収集したわけではないという。
サウザンドアイズ・ジャパンのカントリーマネージャーを務める尾方一成氏は、サービス提供の意義として、ユーザー企業と通信事業者、インターネットサービス事業者(ISP)などが協力して問題解決に取り組むためのベースとなるデータを提供できる点を挙げ、ラグビーワールドカップの際の流行語となった“One Team”という言葉でその価値を訴えた。
また同氏は、同社のテクノロジーがクラウド環境で活用されている例として、Microsoft Azureの各リージョン間の遅延情報は同社製品を使って測定されており、その測定結果もユーザーに公開されていることを紹介した。
サウザンドアイズ・ジャパンの尾方一成氏