日立製作所は日立コンサルティングと連携して、業務システムへのAI(人工知能)の導入や継続的な運用、改善を支援する「AI導入・運用支援サービス」を提供を開始すると発表した。
昨今では、AIの業務への適用が需要予測や品質管理、リスク管理など急速に広がっており、AIの導入からシステムの運用、改善までの一貫した支援がより一層重要になってきている。しかし、AIの多くは機械学習技術をベースとしているため、AIが出力する予測、判断の根拠を理解しにくいことが、重要な判断を伴う業務での適用を阻害する原因になっている。
「AI導入・運用支援サービス」では、デジタルイノベーションを加速する日立のソリューション「Lumada」のユースケースをはじめ、日立および日立コンサルティングがこれまで数多くのデジタルトランスフォーメーションで培ってきたさまざまなノウハウや知見を生かし、業務でのAI適用を前提とした企画検討から概念実証(PoC)実施、導入、運用・改善までを一貫して支援していく。

「AI導入・運用支援サービス」の概要
支援内容は「AIの学習内容・判断根拠の説明」「運用時のAIの挙動監視と継続的改善」「定着化のための体制・仕組みの整備」の3つが主になる。
学習内容・判断根拠の説明では、さまざまなAIやその活用ノウハウを用いてAIの出力根拠を提示する。これにより現場担当者のAI適用に対する理解度を高め、さらに、AI出力根拠と現場担当者や業務専門家の知見とを照らし合わせる。これにより、それらの違いを把握するとともに、必要に応じてAIモデルの改善を行っていく。
挙動監視と継続的改善では、「AIプロダクト品質保証コンソーシアム」での取り組みで得られた知見やノウハウなどを活用することで、AIの挙動の変化を監視しながら、必要に応じた再学習によって業務システムの品質を保持するための支援を行う。また、AIを活用して、現場担当者とAIの判断根拠の確認をしながら、AIモデルの精度低下やその要因を特定し、改善すべき箇所を効率的に見つけ出すことで継続的な改善を支援していく。
定着化については、ユーザーのAI適用の目的や期待する効果、適用技術やデータ、体制や業務プロセスなどプロジェクトの全体像を確認した上で、AIの定着化や継続的改善を実現する体制や仕組みの整備を支援していく。また、関連する分野の法令や業界における各種ガイドラインなどの動向を踏まえ、AI出力結果の逸脱に対応する体制や業務プロセスの不足などの懸念されるリスクを抽出し、企業内のガバナンス体制の構築や、業務プロセスの見直しなどの改善提案も行う。利用価格は個別見積りとなる。