新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックが、世界中で企業の事業運営に大混乱をきたしている。多くの従業員が、大規模に在宅勤務への移行を強いられており、企業における勤務形態がこの先、根底から変わってしまう可能性もある。Adobeが実施した調査によると、このリモートワークへの突然の移行により、最高情報責任者(CIO)の優先事項や企業の取り組みが変わりつつある。
調査は、Adobeが3月中旬に米国で200人以上のCIOを対象に実施したものだ。技術リーダーの最優先事項や直面している課題、将来の投資対象などを取り上げた。
パンデミック中も終息した後も、CIOがサイバーセキュリティーを優先事項にしているのは当然だろう。10組織のうち7組織が、セキュリティー技術への投資を増額する計画だ。また多くの組織は、パブリッククラウド、インフラ、人工知能(AI)、機械学習に対する投資も増やす予定である。
AdobeのCIOのCynthia Stoddard氏は、「CIOも多くのビジネスリーダーと同様、優先事項を再考するか、少なくとも順位を変える必要が出てきた。またバーチャルリーダーとして、自身の役割を変革しなければならない」と述べた。「多くの従業員が在宅勤務へと急速にシフトしているため、以前に増してセキュリティーに考慮しつつ、この前例のない危機のさなか、事業継続性の推進に取り組んでいる」
COVID-19に対処するために、リモートワークを行う体制が整っていると大半の組織(84%)は回答した。その一方で、リモートワークに伴う課題として、コミュニケーション(53%)や技術ツールの不足(20%)が挙げられた。また、約半数の組織が今も積極的に採用を行っているが、47%が雇用サイクルへの影響を予想している。
また報告書によると、回答者の90%が少なくとも一部のデータに関して、パブリッククラウドサービスをある利用しているが、データの大半はオンプレミスで保存している。データの半分以上をパブリッククラウドに保存している組織は、約3分の1にとどまった。
さらに、多くの組織にとってAIは比較的新しい取り組みであることが分かった。AIを1つ以上のプロジェクトで利用しているエンタープライズ組織は50%にすぎず、中小企業の場合はわずか25%だった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。