日立製作所は4月10日、マレーシアを主な拠点とし、アジア地域を中心に人工知能(AI)やデータ分析のSaaS型サービスを提供するFusionex Internationalと契約を締結し、Fusionexの事業を継承した新会社を2020年4月1日付で完全子会社にしたと発表した。
Fusionexが抱えるデータサイエンティストやAI開発・構築エンジニアなどの人材を獲得し、グローバル市場で「Lumada」事業拡大の中核を担う日立ヴァンタラをはじめとしたグループ各社と連携させることで、フロント機能とデリバリー機能を強化する。
また、Fusionexが培ってきたAIやデータ分析の技術、サブスクリプション型であるSaaSの事業ノウハウをLumadaに取り込むことで、ユーザー個別の開発やカスタマイズが少なく横展開が容易なSaaS事業を強化し、グローバル市場での事業拡大に必要不可欠である高効率なデリバリーモデルの確立を目指す。
Fusionexは2005年に設立されて以来、産業・流通や物流、eコマース、金融などの分野に対し、AIやデータ分析を活用したSaaS型のアプリケーション群を中心に、それらの導入コンサルティングや構築、運用サービスまでを提供している。そのデジタル事業を支えるリソースとして、eコマース、ロジスティクスなどさまざまな領域に精通した多くのデータサイエンティストに加え、顧客ニーズに合わせた導入サポート体制も有しており、アジア地域において1万1000社以上の中堅・中小企業を中心としたボリュームゾーンの顧客基盤を持つ。
両社の技術・知見や人材を融合させ、日立が有するOT(制御技術)・プロダクト事業と組み合わせることで、新たなデジタルソリューションを創出していくとしている。