カクイチは、農業事業者に適確にアドバイスを行うシステムとスマートフォンアプリを構築し、4月に運用を開始した。
このシステムは、農園やビニールハウスに取り付けたセンサーから収集した、照度、湿度、気温、土壌の水分、地中温などのデータを収集・蓄積し、人工知能(AI)で時系列の因果関係を分析する。その分析によって可視化された、最適な散水のタイミングやバルブの設定をもとにナノバブルウォーターを散水することにより、農作物の収穫量や品質の向上が可能になる。
AIによる「農業の見える化」システム
カクイチは、以前からナノバブルウォーターとITを活用したアクアソリューション事業を進めており、今回開発したシステムのデータ分析モデルの作成には、統合分析プラットフォーム「Watson Studio」を活用している。Watson Studioは、IBM Cloud上でデータ準備からAIモデル開発までシームレスに使えることが着目され採用された。
また分析された結果を表示・管理するためのスマートフォンアプリの構築では、スタートアップのようなイノベーション創出を支援する「IBM Garage」のアプローチを採用した。IBM Garageでは、アプリの発想から構築について、アイデアの創出から、PoC(概念実証)、顧客実証実験までをアジャイルに繰り返し、カクイチの農業専門家と日本IBMのAI専門家が一体となり開発に取り組んだ。