セブン銀行は、同社のサービス開発基盤をMicrosoft Azureで構築した。また同基盤上で開発されたスマートフォンアプリによる海外送金サービスが8月3日から稼働している。これらを支援した電通国際情報サービス(ISID)と日本マイクロソフトが9月11日に発表した。
同行は、柔軟なサービスの立ち上げを可能とするシステムの開発基盤構築について検討を進めていた。今回のサービス開発基盤の構築では、クラウドプラットフォームとしてMicrosoft Azureを、そして、構築パートナーとしてISIDをそれぞれ採用した。
同基盤では、スマートフォンアプリや外部サービスから呼び出す海外送金や振込のAPIと、海外送金提携先へのデータ連携機能をMicrosoft Azure上に構築した。これにより、同行が提携する外部サービスや送金先などの提携先金融機関が拡大した際にも、これらの機能を活用したデータ連携が容易に実現可能となる。
また、Microsoft AzureのPaaS機能をフル活用し、新サービスの開発期間の短縮と、運用負荷の軽減が実現した。例えば、Azure API Managementを活用することで、複数あるAPIの振り分けや権限管理を一括で行うことができるようになった。さらに、開発支援機能であるVisual Studio Team Servicesを利用し、開発の形態や規模に合わせた柔軟な構成管理やMicrosoft Azure上の本番環境や開発環境へのシームレスな連携を行うことができる。
ISIDは2014年に、セブン銀行のインターネットバンキングシステムをプライベートクラウド上に構築している。今回、このシステムとMicrosoft Azureを活用したハイブリッド構成とすることで、本基盤の構築期間を短縮しつつ、高いセキュリティレベルを担保した堅牢な環境を構築した。
セブン銀行では、2017年秋に提供を開始するリアルタイム振込機能についても同基盤上での開発を進めている。この機能は、同行口座と外部サービスをAPI連携で接続し、接続したサービスからの振込指示を即時に実行するもの。給与計算や経費精算、振込関連のサービスを提供する企業での活用が見込まれる。