セブン銀行は、リアルタイムで勘定系システムや提携金融機関システムなどに取り次ぐ中継サーバを刷新した。日本全国に設置したATMからの入出金や振り込みなどの要求を集約し、新たなATM中継システムの稼働を2014年12月に開始している。サーバを提供した日本HPが6月22日、発表した。
セブン銀行はATMサービスを主軸とする銀行として業務を開始したのは2001年。全国のセブン-イレブンやイトーヨーカドーの店舗、駅や空港などに独自のATM網を展開している。5月時点で、国内のATM設置数は約2万1000台、1日あたりの取引は最大550万件に及ぶ。
この取引を中継するサーバには、開業時からフォールトトレラントサーバを用い、これまで14年の間に2度のシステム更改を実施した。
年々増える処理要求に、365日無停止で対応し続ける信頼性、ビジネスの成長に合わせて柔軟に増強できる拡張性が求められている。海外からの旅行者の増加に伴い、海外発行キャッシュカードやにクレジットカードによるキャッシング利用に対する急速なニーズの高まりなど、新サービスへの迅速な対応も求められる。
今回のシステム更改プロジェクトは、今後のビジネス拡大に合わせ、段階的に処理能力を強化できる柔軟な拡張性と、ATM上での新サービス提供の迅速化を目指した。野村総合研究所(NRI)が主導し、インテリジェントウェイブと日本HPを合わせた3社が協力して進める。
新たな中継サーバとしてHPの無停止型サーバ「HP Integrity NonStop NB54000c」を採用。ATMのネットワーク接続やカードの使用認証を担うアプリケーションとして、インテリジェント ウェイブの「NET+1」を継続採用した。
中継サーバは東西のデータセンターに各2台設置し、それぞれを完全に二重化。万が一片方のシステム、または拠点に障害が発生した場合には、すぐにもう片方のシステムが処理を引き継ぐことで、1日24時間、365日サービスを継続できる構成となっている。また、計画時あるいは緊急時において、必要な性能の増強に迅速に対応できるようにしている。
セブン銀行 執行役員 ATMソリューション部長の松橋正明氏は、以下のようにコメントしている。
「セブン銀行にとってATMサービスはビジネスの中核です。それを支える中継システムは、絶対にサービス停止が許されないだけでなく、ビジネスの成長に柔軟に応えられる拡張性が求められます。また、海外発行カードの取扱量が急速に伸びている中で、セキュリティに関してもグローバル標準への対応が必須です。HP Integrity NonStopサーバは安定性と拡張性を兼ね備えており、今後も、顧客への付加価値の高いサービスの提供を目指すセブン銀行の社会インフラとして、ATMサービスを支えてくれることを期待しています」