新型コロナ感染報告施設、最多は事業所と医療施設--店舗や公共施設を上回る

TechRepublic Japan Staff

2020-04-22 06:45

 JX通信社(千代田区)は全国の新型コロナウイルス感染事例報告施設の情報を独自に収集、分析。このうち同じ施設内で複数人の感染が報告されたケースではオフィスや工場などの事業所が72カ所に上り、店舗や公共施設を上回って最多になっていると4月21日に発表した。

 同社は、新型コロナウイルスの感染事例が報告されている施設の情報を集約して地図にまとめ、4月2日からニュース速報アプリ「NewsDigest」(iOS版Android版)内で限定して公開している。自宅や勤務先の近くの具体的な感染事例や消毒の有無などの情報を地図上で確認できる。感染者との接触のリスクを確認できるようにするとともに、外出自粛や行動抑制を呼び掛けているほか、無関係な店舗への風評被害やデマなどを防ぐ狙いもある。

 地図に掲載された、新型コロナウイルス感染事例が判明している施設は4月20日午後4時段階で少なくとも1269カ所に上っている。うち228カ所では、同じ施設内で複数人の感染事例が報告されている。今回、その228カ所の施設について内訳を調べると、オフィスや工場などの事業所の数が72カ所に上り、病院などの医療施設と並んで最多であることが判明したという。

(出典:JX通信社)
(出典:JX通信社)

 日本国内では、病院での数十人単位の大規模クラスタ、クラブなど“夜の街”クラスタが注目されており、飲食店をはじめとする多くの店舗が休業や営業時間短縮を余儀なくされていると説明。一方でオフィスや工場などの事業所での業務縮小やテレワークの動きは、まだ十分に広がっているとは言えないと指摘する。各社が提供する人流データでも平日の人出の減少は、政府が目標とする「7~9割減」に届いていないことも明らかとしている。

 こうした中で、複数人の感染事例のある施設として、店舗や公共施設よりもオフィスや工場など事業所の数が多く、医療施設と並んで最多となっている実態は、オフィスなどでの感染リスクの大きさを示唆する結果と表現。企業でのテレワークのより一層を推進するとともに、やむを得ず従業員を出勤させる場合の感染対策徹底の重要性が浮き彫りになっていると指摘している。

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