オープンハウスは、手作業で行っていた物件情報の収集・登録・配信のプロセスをRPA(ロボティックプロセスオートメーション)で自動化した。ツールを提供するUiPathが発表した。
オープンハウスは2019年10月にRPA基盤「UiPath」を導入し、全社規模での業務自動化を本格展開している。同年には、RPAをクラウドで提供する「UiPath Automation Cloud for enterprise」のSaaS型管理ツール「UiPath Orchestrator」のパブリックプレビュー版を導入した。Googleの生産性スイート「G Suite」での入力操作を起点に、実行ツール「UiPath Robots」を起動し、スプレッドシートやチャットなどへ出力させるワークフローを構築した。また、複数のソフトウェアロボットやワークフローの統合管理、スケジューリングによる自動実行・無人運用にもOrchestratorを活用している。
同社は独自の「製販一体型ビジネス」を構築し、2014年度からの5年間で売上規模を4.8倍に拡大しているという。土地の仕入れから設計・施工管理・販売までを一貫して自社グループで手がけることで、顧客のニーズを反映した戸建て住宅をリーズナブルな価格で提供できるとしている。
オープンハウスは、自社開発にこだわった独自の基幹業務システムを構築・運用している。2019年5月にRPAを用いた業務の自動化に着手し、当初は自社開発で進めていたが、社内の要望に素早く対応するため、UiPathの本格活用に至った。同社はUiPathについて、IT部門の技術者だけでなく業務部門でも開発できることや、ロボットの運用・実行をIT部門で一元管理できることを評価しているという。また、G SuiteなどのパブリッククラウドサービスとAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)連携が可能なことも採用の決め手になったとしている。
同社は今後、2022年までにビッグデータ分析・人工知能(AI)とRPAが連携する、高度に自動化された業務プロセスの実現を目指している。例えば、購入候補となる土地についてビッグデータ分析とRPAが情報を収集し、AIが将来の地価や収益性を予測しながら高速な意思決定を支援する業務プロセスの実現に取り組んでいくという。