住友ベークライト、デジタル技術で国内基幹工場の生産効率を20%向上

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2020-06-18 08:52

 プラスチック製品の総合メーカーである住友ベークライトは、NECの協力のもと製造工程に人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などのデジタル技術を導入している。これにより、国内基幹工場の主力生産ラインで生産効率が20%向上した。今後は国内の生産拠点・生産ラインで横展開を図り、海外拠点への導入に向けた環境整備を進めていく。

 NECとの共創では、通信規格の異なるデータの収集、AIを活用したデータ分析と異常の可視化、AIを活用した制御ルールの設定という3つの取り組みを進め、これまで難しかった機能性化学品のバッチ連続型生産ラインのデジタル化を実現した。バッチ連続型生産ラインとは、一定数量(バッチ)を品目ごとに連続して生産する方式を指す。

生産技術のデジタル化のイメージ
生産技術のデジタル化のイメージ(出典:NEC)

 通信規格の異なるデータの収集では、エッジコンピューティング領域のソフトウェア基盤「Edgecross」を活用することで、異なる装置メーカーの出力情報について、通信規格の差異を吸収し、複数種類のデータを工場全体で分析できる環境を構築した。

 AIを活用したデータ分析と異常の可視化では、製造工程各所に取り付けたセンサーを通じて、装置の稼働情報、品質に関する評価情報などを収集し、自動的に分析できるようにした。NECの「インバリアント分析技術」を用いることで、リアルタイムに得られる計測データからいつもと違う異常を発見し、その違いを数値化している。

 AIを活用した制御ルールの設定では、運用上規定されている装置の制御ルールに加えて、AIを活用することで、熟練技術者の経験に裏打ちされていた装置制御に関する暗黙知を制御ルールとして可視化して登録できるようにした。

 

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