NECプラットフォームズ、水位情報の可視化サービスを発売--掛川市で可用性を実証

NO BUDGET

2020-06-19 09:47

 NECプラットフォームズは「河川水位IoT監視パッケージ」の販売を開始した。今後5年間で中小河川を有する40自治体に販売することを目指す。同サービスは、河川に設置した水位センサーからリアルタイムに水位情報を収集し、クラウド上で可視化することで河川管理や地域防災を支援する。価格はオープン価格。

システム構成イメージ(出典:NECプラットフォームズ)
システム構成イメージ(出典:NECプラットフォームズ)
水位センサー子局(出典:NECプラットフォームズ)
水位センサー子局(出典:NECプラットフォームズ)

 同サービスは、静岡県掛川市において実際の環境下での動作検証を重ねており、2019年10月に発生した令和元年台風第19号の記録的な大型豪雨時に際しても、掛川市の協力のもと河川の水位を観測し、リアルタイムに水位情報を可視化した。また2019年11月〜2020年3月まで、掛川市と市内5カ所で稼働検証を共同で行い、安定した通信で想定通り動作することを確認したという。さらに同市では、住民に向けて河川の水位情報を公開するサービスを5月に開始した。

 収集した水位情報はクラウド上に蓄積され、防災情報としてウェブブラウザを通じてリアルタイムに閲覧できる。平時は1時間、大雨時は10分おきにデータが更新され、ウェブのマップから観測地点を選択してデータを表示し、現在の水位やその変化、注意水位、危険水位といった情報をグラフ化して提供する。

 無線エリア調査からネットワークの構築、監視対象地点への水位センサー子局の設置、住民に公開するシステムの運営・保守までを提供することで、短期間での導入と低コストでのサービス運用が可能となる。また、機器監視システムで機器とデータ通信の状態を24時間遠隔監視しており、異常や故障予兆を検出した場合はアラートが鳴り、現地機器の遠隔操作や保守交換機材の発送などへの対応を迅速に行うことができる。

 無線エリアは、LPWA(省電力長距離通信)で構築。また、河川水位測定に最適化された水位センサー子局は徹底した低消費電力設計により、電源工事が不要で内蔵電池だけで約5年の長期稼働を可能にしたという。センサーは電波式(非接触式)を採用し、最大30m先の水面を測定できるため、河川氾濫時にセンサーが流出するリスクを低減する。さらに、実際の河川での長期検証に基づいて開発した誤データ除去フィルター機能を備えており、屋外環境での日射、気圧、汚れなどに影響されない測定性能を有しているという。

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