NEC、済生会中央病院らとオンライン診療の仕組みを実証

大場みのり (編集部)

2020-07-20 17:45

 NEC、済生会中央病院、済生会熊本病院は7月20日、オンライン診療の実現に向けた取り組みを開始すると発表した。7月から順次、両病院で実証を行う。

 東京都港区にある済生会中央病院では、主に外来診療での再診患者のうち、退院後の経過観察や定期モニタリングが必要な患者を対象に、ビデオ通話システムによる診察とNECの医療情報ソリューション「MegaOak」の既設電子カルテを連動し、通常の診療とオンライン診療の情報を一元管理する。また、診療・会計・処方せんの発行までをオンラインで行うための運用方法を検証する。

 同病院では、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて外来診療からオンライン診療へ置き換える際、患者の手続きや病院職員の業務をスムーズに移行する必要があった。今回実証するシステムは、電子カルテでの操作は通常運用のまま、予約情報や患者情報をビデオ通話システムと連動させることで、診察における一連の流れを管理・実行できるという。今回の実証結果を踏まえて、音声による電子カルテへの自動入力支援システムや生体認証技術を活用した本人確認なども検討していく。

済生会中央病院の実証(出典:NEC、済生会中央病院、済生会熊本病院)
済生会中央病院の実証(出典:NEC、済生会中央病院、済生会熊本病院)

 済生会熊本病院の実証では、地域中核病院として関係医療機関と連携し、入院準備から転院・退院までのカンファレンス(患者の状態や治療方針の引き継ぎ)、アフターフォローまでを、電子カルテとビデオ通話システムの連携によりオンラインで行う。

 同病院は、重症患者の入院受け入れや、治療後の症状緩和に伴う転院・在宅治療のフォローなど、地域の医療機関と連携しながら治療をしてきた。だが、入院・転院時に同病院と連携医療機関のスタッフ間で行うカンファレンスや転院・退院後の患者フォローアップに多くの時間がかかっていたという。済生会熊本病院では今回、入院時における事前説明のオンライン化、音声を活用した記録支援システムも組み合わせ、証拠の担保と同時に業務を効率化する仕組みの構築を検証・評価する。

済生会熊本病院の実証(出典:NEC、済生会中央病院、済生会熊本病院)
済生会熊本病院の実証(出典:NEC、済生会中央病院、済生会熊本病院)

 これらの実証により両病院は、地域・患者・職員の安全を確保し、必要な医療サービスを持続的に提供できるニューノーマルな仕組みの実現を目指すとしている。

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