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ITセグメントが業績を下支え--日立の2020年度第1四半期決算

大河原克行

2020-07-31 16:53

 日立製作所は、2020年度(2021年3月期)第1四半期連結業績を発表、ITセグメントが同社業績を支えていることが明らかになった。第1四半期は、売上収益が前年同期比21.6%減の1兆5942億円、調整後営業利益は53.1%減の583億円、EBITは86.5%増の3404億円、継続事業税引前利益は86.8%増の3397億円、当期純利益は85.6%増の2232億円で、営業利益率は3.7%だった。

 執行役専務CFO(最高財務責任者)の河村芳彦氏は、「ITセグメントは、利益では約半分、利益率では他のセクターの約2倍になっている。ITが全社の業績を下支えしている。『Lumada』を中心にITセグメント周辺に経営資源を投資すること合理的と判断しており、Lumada事業の拡大に向けた戦略投資を継続し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する」とした。

決算説明を行う執行役専務CFOの河村芳彦氏(中央)
決算説明を行う執行役専務CFOの河村芳彦氏(中央)

 新型コロナウイルス感染症の影響から、売上収益では2998億円のマイナス、調整後営業利益では657億円のマイナス、EBITでは736億円のマイナスとしており、「減収減益だが、新型コロナウイルスの影響を除くと売上収益、調整後営業利益ともほぼ前年並。第1四半期は「IT」「エネルギー」「インダストリー」「モビリティ」の4セクターで利益率が改善している」(河村氏)とする。

 セグメント別業績でITの売上収益は、前年同期比7%減の4301億円、調整後営業利益は5%減の382億円。「ITセクターは金融、公共、ストレージを中心としたハードウェア、Lumadaによるデータという4つの領域でビジネスをしているが、公共が好調だった。新型コロナウイルスの影響がありリモートや非接触、テレビ会議などの需要があり、ここに向けて新たなアプリケーションを開発し、それが大きく伸びている。教育・医療などこれまでIT投資が十分でなかったところへの投資が今後も期待できる。公共とLumadaがけん引役になる」(河村氏)とした。

 Lumadaの事業売上は前年同期比9.5%減の2190億円で、うちLumadaコア事業は3.9%増の1320億円、Lumada関連事業が24.3%減の870億円だった。だが2020年度通期見通しは、Lumada全体で前年比6.1%増の1兆1000億円とし、うちLumadaコア事業が11.3%増の6600億円、Lumada関連事業で0.9%減の4400億円を予想。「ほぼ予定通りと見ている」と河村氏は説明した。

 Lumadaコア事業は、顧客データを人工知能(AI)やアナリティクスの活用により、価値に変換して、顧客の経営指標改善や課題解決を図るサービスなどのデジタルソリューション事業が含まれる。Lumada関連事業には、Lumadaコア事業との大きなシナジーが期待される制御系システムやプロダクトを中心とした先進的な製品、システム事業を含めている。

Lumada事業のトピック(日立製作所の決算説明資料より)
Lumada事業のトピック(日立製作所の決算説明資料より)

 第1四半期におけるLumada事業のトピックスでは、Cognizantのデジタルビジネス部門プレジデントだったGajen Kandiah氏を、Hitachi VantaraのCEO(最高経営責任者)に迎えたことを挙げ、河村氏は「今後Lumada関連事業が強化されることを期待している」と述べた。

 また、カスタマー/インダストリーセントリックによる統合デジタルソリューションを通じて、デジタルビジネスのグローバル展開が加速したほか、Microsoftと東南アジア、北米、日本における製造および物流向けの次世代デジタルソリューションに関する戦略的提携を発表している。通信回線の準備、管理からデータの収積、活用の基盤までを一括したサービスとして提供し、企業のグローバルなIoTビジネスを支援する「Hitachi Global Data Integration」も提供を開始したことを紹介した。その他にダイキンの化学事業では、需要変動に即応する最適な生産、販売計画の立案および実行支援を行うソリューションを運用し、帝人の新素材の研究開発におけるDX推進に向けて協創を開始したという。

 なお、エネルギーセクターの売上収益は前年同期比3%増の744億円、調整後営業利益は294%増の20億円だった。インダストリーセクターの売上収益は4%増の1658億円、調整後営業利益は27%増の17億円。モビリティセクターの売上収益は11%減の2482億円、調整後営業利益は4%減の191億円。ライフの売上収益は19%減の4036億円、調整後営業利益は92%減の18億円。その他部門の売上収益は8%減の985億円、調整後営業利益は51%減の16億円だった。

 上場子会社の業績は、日立建機が売上収益で27%減の1701億円、調整後営業利益が88%減の26億円だった。日立金属は売上収益が34%減の1547億円、調整後営業利益が72億円の赤字となった。

 2020年度の連結業績見通しは、売上収益で8000億円上方修正し、前年比10.1%減の7兆8800億円とした。また、その他の項目は据え置き、調整後営業利益は前年比43.8%減の3720億円、EBITは234.4%増の6140億円、継続事業税引前利益は232.8%増の6000億円、当期純利益は282.4%増の3350億円を見込む。河村氏は、「新型コロナウイルスの影響算出の前提条件は変えていない。上期に7割程度が影響しており、下期は影響が減衰していくと見ている」とした。2020年度における新型コロナウイルスのマイナス影響は、売上収益で9600億円、調整後営業利益は2860億円、EBITは3570億円を想定している。

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