NTTデータのグループ会社で米国に拠点を置くNTT DATA Servicesでは、2型糖尿病・冠動脈性心疾患・慢性肝臓疾患(CLD)・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・脳卒中・関節炎といった慢性疾患の非侵襲的測定データ(生体を傷つけずに測定したデータ)を活用し、該当する疾患の発症リスクを人工知能(AI)で算定する実証実験を実施した。NTTデータが7月31日に発表した。
同実証では、当該疾患の患者500万人以上の医療保険データ1300万件や、服用している医薬品データ、臨床データ、検査データを「学習データ」として、特定の慢性疾患リスクを持つ患者の早期予測を可能にする「疾病予測AIソリューション」を開発し、有効性を確認したという。
同ソリューションは保険会社への提供を想定している。これにより保険会社は、加入者の慢性疾患を発症するリスクスコアを、従来必要だった大規模な検査を行うことなく簡易的に導き出し、加入者に提供することが可能になるとしている。
またNTTデータは、重篤な基礎疾患を持つ人々が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した場合、重症化のリスクが上がることが明らかになっており、各種疾患の早期発見や発症リスクの可視化が注目されていると説明する。同ソリューションの対象となる、2型糖尿病・冠動脈性心疾患・CLD・COPD・脳卒中・関節炎といった慢性疾患は多くの場合、早期の発見と治療で効果的に抑制できるとされており、結果としてCOVID-19の重症化を未然に防ぐことが期待されるという。
同ソリューションは今後、米国だけでなく、NTTデータやスペインに拠点を置くグループ会社everisにより、日本や中南米地域でも展開することを予定している。