VAIOの子会社でドローン事業を展開するVFRと自律制御システム研究所(ACSL)は、長野県企業局から依頼を受け、7月の豪雨で土砂崩れがあった大鹿発電所付近において、ドローン空撮による状況調査を実施した。期間は8月13~14日の2日間。
調査実施中のドローン(出典:VFR)
VFRが長野県とACSLとの調整、航行管理、調査管理を担当し、ACSLが調査用機体(ACSL-PF2)の提供、航行プログラムの策定、飛行操作を担当した。
ACSLは災害調査や物資救援においてドローンを活用した経験があるといい、2017年7月の九州北部豪雨では内閣府の要請により航空法の特例措置を受けて目視外飛行を実施、2019年10月の台風19号では東京都の要請を受けてドローンによる奥多摩町へ緊急物資を輸送した。
長野県庁 企業局 電気事業課の担当者は「当局でも積極的にドローンを活用しているが、本地点のような遠方の山岳地帯での飛行には経験・技術面で困難な部分がある。今回、高機能なドローンを活用したことで、効率的に調査を進めることが可能となり、被害が想定された取水口付近の状況をより正確に把握することができた」とコメントしている。
ACSL-PF2からの空撮写真一例(出典:VFR)
両社は今後、VFRのコンピューティング/ロボティクス技術とACSLの機体開発/自律制御技術などを組み合わせて、ACSLの既存機体(ACSL-PF2、Miniなど)のアップデートや用途別に最適化した新機体を共同開発し、2021年以降の順次導入を目指している。