部門を超えた横のつながりを維持・強化するためのコンカーの「文化」の仕掛け

田中由香 (コンカー)

2020-10-26 07:00

最初の文化施策「文化部」と「バディ制度」

 第3回で、会社の課題に対して打ち手を従業員全員で考える「オフサイト合宿」があるというお話をしました。合宿で挙がったアイデアが施策になる過程をもう少し詳しくお話ししましょう。

 例えば、コンカーを支える文化の中には、従業員の前職から輸入したアイデアがあります。交流企画を担う「文化部」、そして部署を越えたメンバー同士が交流するための「バディ制度」です。

 文化部は、合宿の最中に手を挙げた有志によって結成されました。シーズンごとに誰と誰がバディになるか組み合わせを作成したり、社内報を発行したり、忘年会を仕切ったりするのが当初の役目でした。代とともに役割も進化し、現在は会社の一体感を作る旗振り役を担っています。筆者が二代目メンバーとして加入した頃から従業員数増加に伴って、「飲み会の幹事」から「イベントの運営」に近い存在になっていきました。

雑談には仕掛けが必要

 従業員が80人ぐらいになった時、また別の課題が生まれました。「そろそろ顔と名前が一致しなくなってきた。たまのイベントも良いが、もっと日常のオフィスの場面で自然な雑談をきっかけに気安く仕事のできる間柄になれれば良いのに…」

 意外にも、雑談があまり得意ではないという従業員から、文化部内の「コミュニケーションタスクフォース」の提案がありました。曰く、人が自然に足を止め、かつ話の弾みそうなネタがあるスポットがあると助かるのだそうです。雑談の良さはよく分かっているつもりの筆者でしたが、雑談へのハードルはあまり感じたことがなく、とても良い視点の提案でした。

 ちょうど文化部を卒業した筆者は、さっそくこのタスクフォースに参加しました。どうしたら雑談スポットを作ることができるか。今月入社した人のプロフィールと就業記念を迎える既存メンバーのプロフィールを繰り返し流すスライドショーや趣味の演奏会の告知、フットサルメンバー募集を書き込める黒板などを従業員が立ち寄ることの多いパントリー付近に配置しました。

 すると、確かに自然と会話が生まれるのです。交流が盛んになると、趣味の同好の士が集まってさまざまな部活も生まれていきました。

会社の仕組みならば、経費は会社が負担

 バディ活動では、部署を越えたランダムなメンバーがアクティビティや食事を楽しみながら親交を深めます。そのほか、業務の内容からプライベートまでを相談できる各種ランチ制度もあります。部活動では、揃いのユニフォームを作って企業対抗戦へのエントリーも可能です。交流には案外お金がかかりますが、コンカーではこれらの費用は会社が負担するので、気軽に誘えるのです。

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