IDC Japanは9月25日、国内システム/サービス管理ソフトウェア市場予測を発表した。新型コロナウイルス感染症による景気後退から2020年の市場売上額を前年比0.2%減の2860億2000万円と予測。企業のITシステムの新規導入、更改の中止や凍結が増加することで、システム/サービス管理ソフトの新規導入が減少するという。
コロナ禍が収束、経済が回復基調に入るとみられる2021年からは、ITシステム導入、更改への投資が回復。2021年からプラス成長に転じるとしている。
オンプレミスとクラウドが混在するハイブリッド環境の拡大によってITシステム環境が複雑化。管理が高度化し、ログやメトリクスといったIT運用に関連する情報の分析で改善を図るITオペレーション分析の活用が拡大するとともに人工知能(AI)の組み込みによる分析精度の向上、障害を予測するAI Ops(AI for IT Operations)の導入が市場を促進すると予測。ロボティックプロセスオートメーション(RPA)と組み合わせたIT運用の省力化、自動化を図る企業も増えるとしている。
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市場のなかでもサービスをクラウドで提供するSaaSが大きく成長。2019年は前年比44.2%増の158億8500万円、2020年は24.9%増の198億3900万円と予測。2019年~2024年の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は26.5%、2024年に513億7700万円に達するとしている。
IDC Japanでソフトウェア&セキュリティのグループマネージャーを務める入谷光浩氏は、「ITサービス管理とアプリケーションパフォーマンス管理を中心にSaaS市場が急速に拡大している。導入が容易、ハイブリッドやマルチクラウドといった環境のITを管理し易く、今後さらに導入が拡大する」とコメントしている。