IBMのハイブリッドクラウド戦略は、自動化、APIエコシステム、人工知能(AI)を利用したクラウドとアプリケーションの橋渡しを柱としている。
IBM Cloud IntegrationのゼネラルマネージャーDinesh Nirmal氏は、米ZDNetのインタビューに応じ、同社の戦略やマルチクラウド市場の状況について語った。
この記事では、Nirmal氏がインタビューで語った内容の一部を紹介する。
クラウドとワークフローの自動化。Nirmal氏によれば、「あらゆる企業で自動化しようとしている」という。
同氏は、AIは自動化のプロセスで重要な役割を果たすが、他にも重要な項目があると語った。
自動化がもたらす最大の利点は、複雑さをなくし、単純にしてくれることです。例えば、APIエコノミーを考えてみて下さい。APIを使ってコーディングできるようになったことで、コードがシンプルになり、簡単にアプリケーションを動かせるようになるわけです。そして、私たちのハイブリッドクラウドのソフトウェア戦略で重視している3つ目の項目は、AIによってデータの価値を引き出すことです。これは極めて重要です。私たちは、AIを使ってどのように顧客のデータから洞察を引き出すかに取り組んでいます。
オートメーションを実用化するには精度が重要である。Nirmal氏は、自動化やモデリングに対するニーズは業務分野によって異なると述べている。
自動化を進める際には、業務分野ごとに進めることになるでしょう。各事業部門に共通の自動化を行うこともできます。例えばワークフローや、ビジネスルールが自動化されるかもしれません。データセンターの自動化を行って、IT運用を自動化することも考えられます。ただしその際、気をつけなければならないことがあります。これはAIが抱える問題とも似ていますが、例えば何らかの予測を行うとしましょう。予測には精度があり、その精度は70%かもしれませんし、72%かもしれません。精度が非常に低い場合もあるでしょう。しかしそれよりも重要なのは、AIを使う上で継続的に学習を続けるモデルを作ることです。自動化にも同じことが言えます。重要なのは、ビジネスプロセスで達成すべき仕事が行える水準の自動化の精度を確保することです。