新生銀行は、CRM（顧客関係管理）基盤のデータ活用を目的に、ウイングアーク1stのBI（ビジネスインテリジェンス）ダッシュボード「MotionBoard Cloud for Salesforce（MotionBoard）」を導入した。導入決定から約3カ月で実装し、2019年9月に利用を開始している。ウイングアーク1stが発表した。
MotionBoardは現場の担当者がデータ活用に利用でき、グラフだけでなく見慣れた集計表や明細一覧で表現できる上、状況をリアルタイムで把握することができる。また今回、Salesforceとの親和性の高さも採用の決め手となったという。
新生銀行では、2016年にSalesforceを導入しCRM基盤を構築し、営業／案件／チャネル管理、コミュニケーション機能が集約／統合され、データ活用が促進された。しかし、一般的なBIツールはグラフィカルな表現を得意とする一方で、営業現場が求めるExcelのような行列数の多い集計表の表現は対応が難しく、期待するレベルのデータ活用は広がらなかった。また、計表管理部署が必要と判断した一部のデータを取り出し、営業現場へ共有する仕組みを取っていたため、営業現場の目線と隔たりがある切り出し方になっていることがあった。
導入後約1年で公開したMotionBoardのダッシュボードの数は約20種に及び、営業担当者ごとの予実管理や営業評価項目といった営業現場の計表は、現場ユーザーが見たい軸でデータを切り出して閲覧できるようになった。これにより、状況に合わせてスピード感のあるアクションが取れるようになり、データを基軸にした円滑なコミュニケーションが図られ、無駄な報告が減ったという。
営業の予実管理表。見慣れた集計表形式で閲覧でき、画面上部で営業部や役割、支店名など、見たい軸で切り替えることができる（出典：ウイングアーク1st）
現在は、顧客の来店状況や来店目的をリアルタイムで把握できるダッシュボードを追加作成し、2019年末にローンチしたアプリのダウンロード状況を、担当者ごとに把握できるダッシュボードを追加作成したりするなど、活用の幅が広がっている。CRMチームのほかにも、コールセンターや電話相談を担当するチームなど、4つのチームがMotionBoardのダッシュボードを作成／閲覧しており、導入当初は1日当たり50人程度だった閲覧ユーザー数は、約150人に増えている。
