セゾン情報システムは10月13日、同社「リンケージサービス」のモダンファイナンスメニューを強化、拡充すると発表した。具体的には、11月1日に「SAP Ariba リンケージサービス」の受注を開始し、今冬のサービス開始を予定している。
モダンファイナンスサービスの強化
SAP Ariba リンケージサービスは、SAPジャパンの調達・購買ソリューション「SAP Ariba」と、セゾン情報システムズのデータ連携ソリューション「DataSpider Servista」を組み合わせたもの。
リンケージサービスは、同社のデータ連携ソリューションである「HULFT」やDataSpiderを活用し、企業内や企業間、SaaSと各種システムとの連携を行うサービスになる。データ連携基盤を構築して全社統合型のデータ連携サービスを提供することも可能だ。これまでに、ビジネスインテリジェンス（BI）ツール「Tableau」や、出張・経費精算管理システム「SAP Concur」、経理財務自動化サービス「BlackLine」の導入もサービス提供している（関連記事1、関連記事2）。
SAP Ariba リンケージサービスでは、Aribaの導入だけでなく、他の基幹系システムやさまざまなシステム間を連携するデータ連携基盤の構築も可能。経年による社内システムや組織変更、サプライチェーンに柔軟に対応できることで、安定運用を提供するサービスになるとしている。初期費用は500万円から。
Aribaは、間接材の調達から支払いまでのプロセス、受注から入金までのプロセスをデジタル化し、統合管理するソリューションを提供している。リンケージサービスとして当初提供するのは調達・購買を行うSAP Ariba 購買管理ソリューションになる。このソリューションにより、商材の見積もりから請求管理を行える購買業務のサポートが行えるようになるという。
また、セゾン情報はリンケージサービスで提供を検討するサービスをまず自社導入し、課題整理、効果確認、知識の蓄積を行った後、提供メニューに加えている点が特徴だ。今回のサービス開始に当たり、Aribaの自社導入を6月に開始し、9月末で第1フェーズとして完了。9月14日に新システムへの移行を完了している。
Aribaへの移行は将来のグローバル対応を含め、運用負荷・可用性／インフラの制約／夜間停止などの課題を解決するとともに、契約条件で定めている物品発注について、見積もりから承認プロセスを削減するなど、業務プロセスの見直しを実施した結果、年間発注工数の約25％を削減し、リードタイムを12日短縮するなどの業務効率化を果たした。今後、第2フェーズでは部門購買の電子化や自動支払いによる工数削減に取り組む計画だ。
セゾン情報システムズは自社の購買管理にAribaを導入
併せて、同日から「SAP Concur リンケージサービス」で導入している「Concur Invoice」と連携するApp Centerソリューションとして、ファーストアカウンティングが提供する AI OCR（人工知能を活用した光学文字認識）ソリューション「Remota」を組み合わせ、ペーパーレスでの請求処理が可能となる「完全ペーパーレス請求書オプション」も受注を開始し、年内にサービス提供を開始する予定であることも発表した。
Remotaとオンラインストレージ「Box」、Concurを組み合わせることで、指定メールアドレスへの送信、Boxフォルダーに請求書の画像やPDファイルを置くことで、DataSpiderが後続処理の自動化を支援する。リンケージサービスとしてワンストップで提供することで、Concur Invoice導入の際に必須となる基幹会計システムとの連携をDataSpiderで行うことも可能という。
