人間が書いたような高精度な文章を書けると関心を集めている言語モデル「GPT-3」を、Microsoftにライセンス供与すると、GPT-3開発元の米OpenAIが9月22日に発表した。
OpenAIは、Elon Musk氏がY Combinatorの前社長であるSam Altman氏などと2015年に立ち上げた企業。人工知能(AI)の開発や調査を手がけている。Microsoftは2019年7月、OpenAIに10億ドルを出資すると発表。2016年の時点でMicrosoft Azureを採用すると明らかにしていた。
GPT-3が驚異的なのは、例えば、記事タイトルとサブタイトルを入力して生成ボタンを押すだけで、人が嘘と見破れないほどの完成度でニュースを作成してしまう点である。便利である反面、いわゆるフェイクニュースも簡単に作れてしまう。
また、ソースコードも簡単に生成する。あるデモでは「写真というタイトルでカメラのアイコンとナビゲーションバーを持つアプリを作ってほしい」といった希望をテキストボックスに書き込むと、条件を満たす「Instagram」のようなアプリがワンボタンで出来上がる。GPT-3が、入力した文章から機械学習のソースコードを生成したのである。
このほか、ウェブページのレイアウトやクエリーの生成なども、機械学習による言語モデルを基盤にした文章作成能力を生かし、難なくこなしてしまう。今回、この技術がMicrosoftにライセンスされることになった。「優秀なエンジニアが見事なソースコードを書く」という従来型のエリート像が変化するきっかけになるのだろうか。
実際に脅威であるのかを確認するため、まずはGPT-3の情報を収集しておきたい。関連する記事を集めた。