Microsoftは米国時間10月20日、「Windows 10」の最新の機能更新プログラムをスケジュール通りにリリースした。米Mary Jo Foley記者が米ZDNetの記事で述べているとおり、「October 2020 Update」(「20H2」)の一般ユーザーへの配信は、非常に慎重なスケジュールで進められている。実際、少なくとも最初の段階では、導入できるのはアップデートを自ら望んでインストールしようとする人だけだ。Microsoftはこの人々を「seeker」と呼んでいる。
今回もまた、適用に時間がかかり、システムが不安定になる可能性のある大型アップデートなのではないかと恐れている人は、安心してほしい。数週間前に別の記事で述べたように、今回のアップデートは極めて小規模なもので、新機能もわずかだ。
「May 2020 Update」(バージョン2004)からアップグレードする場合、作業時間は非常に短時間で済むと筆者は考えている。筆者のオフィスにある何台かのWindows 10テスト用のマシンで試したところでは、アップグレードにかかった時間は3分未満だった。
2019年にリリースされたバージョンのWindows10を使用しているシステムに更新プログラムをインストールする場合は、必要な時間が長くなるが、問題が発生する可能性は低い。これは、バージョン20H2が、大規模なパブリックリリースから6カ月を経ているバージョン2004を、少し修正しただけのバージョンだからだ。バージョン2004の「既知の問題」は、Conexantのデバイスのドライバー関連の問題以外はすべてほぼ解決されている。このデバイスの問題には互換性による保留が適用されており、今回の機能更新プログラムでも修正されない。
今回のリリースは、Windows 10の最初の10年を考えれば後半に入るタイミングにあたり、Windows 10の転換点だとも言える。最初の5年間の流れを振り返れば、特徴的だったのは、(少なくとも初期については)その熱狂的な開発ペースだろう。
では、Windows 10の次の5年間には、何が待ち受けているのだろうか。以下に紹介するのは筆者の予想だ。これは関係者から得られた情報に基づくものではなく、筆者がMicrosoftの動きを注意深く観察することで得られたものである点に注意してほしい。
Windows 10の開発ペースは今後も緩やかに
Microsoftはようやく、新機能を満載したアップデートを年に2回提供するペースは維持できないことを学んだように思える。2019年と2020年には開発ペースが劇的に緩やかになり、本格的なアップデートは1年の前半に行い、H2は小規模なアップデートにとどめることで、顧客が一息つく余裕を作るようになった。
Mary Jo Foley記者は2020年になってから、「Windows 10X」は2021年前半にリリースされる可能性が高いと報じている。これは、長年求められていたモジュール化の進んだWindows(「Lite」または「Santoni」というコードネームで呼ばれている)のようだ。しかしFoley記者の記事には、見逃せない記述があった。それは「Microsoftは2021年以降、Windows 10の機能更新プログラムを年に1回のみリリースするようになる可能性がある」というものだ。
同氏は、1年の前半にWindows 10Xの機能更新プログラムが、後半にWindows 10の機能更新プログラムがリリースされるようになるかもしれないと述べている。これは、今のMicrosoftの状況を考えれば非常に理にかなっている。筆者はそれに加え、今後のWindows 10の新しいバージョンが、毎年早い時期に「Release Preview」チャネルに公開されることになっても驚かない。その場合、seekerにとっては、現在のリリーススケジュールに近いサイクルになるだろう。