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失注リスクを回避、成約件数が倍に--ENECHANGEが構築した顧客管理の仕組み

小山健治 藤代格 (編集部)

2020-10-28 07:15

 電気、ガス料金を比較できるサービスサイト「エネチェンジ」を運営するENECHANGE(千代田区、従業員数約100人)は、電力自由化をビジネスチャンスと捉えて2015年に設立したベンチャー企業だ。

 料金の比較、シミュレーションなどで培った知見を生かし、現在では法人向けのエネルギーデータ事業、エネルギープラットフォーム事業なども展開。データ、人工知能(AI)、統計などの先端分野の研究者が集う英Cambridge Energy Data Labをルーツとする高度な技術力を有する一方で、営業活動を支えるITの仕組みが同社にとっての“弱点”となっていたという。

スプレッドシートの顧客管理が限界に

 当初、同社は法人顧客のデータを「Google スプレッドシート」で管理し、営業部門の約15人の担当者で共有していた。最初のうちこそそれでも問題はなかったのだが、会社設立から1年も経たないうちにデータ量は数千件に増大。ファイルを開くことさえ長時間待たされる状況となった。

ENECHANGE カスタマーサービスチーム マネージャーの長谷川氏
ENECHANGE カスタマーサービスチーム マネージャーの長谷川氏

 同社 カスタマーサービスチーム マネージャーの長谷川覚氏は、「スプレッドシート上では、どの営業担当者がいつコンタクトを取ったのか、どんな問い合わせを受けたのかなど、お客様ごとの案件の詳細な対応履歴を1行で管理していました。ただでさえ見づらい上に皆が次々に内容を更新するため、どれが最新状態なのかもわからなくなっていました。その結果、お客様へのフォローが遅れてしまい、せっかくの商談を取り逃がしてしまうケースが多発していました」と振り返る。

kintoneなら自分一人でも対応できる

 「もはや案件をスプレッドシートで管理している場合ではない」と危機感を抱いた長谷川氏は、営業支援システム(SFA)の導入に向けて動き始めた。

 とはいえ、著名なSFA製品は初期費用やライセンス費がかさむ。何よりも問題だったのは、導入に際して社内のITエンジニアに負担をかけてしまうことだ。本業のサービスづくりに全力を注ぎたいと考えていた同社にとって、限られたITエンジニアのリソースを割くことは絶対に避けたいことだったのである。そもそも同社が顧客データをスプレッドシートで管理していたのも、こうした背景による。

 そうした中、ウェブを使って情報収集を行っていた長谷川氏の目にとまったのがサイボウズ(中央区)の業務アプリ構築PaaS「kintone」である。

 「問い合わせフォームから資料を請求して詳しく調べたところ、kintoneは初期費用がかからずライセンス費も安価です。加えてサイボウズはkintone導入の進め方からその後の活用まで、オンラインまたは対面で相談に乗ってくれる『導入相談カフェ』を用意していました。これならITエンジニアに頼らず自分一人でも対応できると考えました」(長谷川氏)

 こうして2016年10月、同社はkintoneの導入を決定したのである。

 実際に長谷川氏は導入相談カフェのアドバイスやサポートを受けつつ、kintoneの「顧客管理アプリ」などを独自にカスタマイズ。わずか1か月ほどでスプレッドシートからからの移行を成し遂げた。

導入前後のシステム比較(出典:サイボウズ) 導入前後のシステム比較(出典:サイボウズ)
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