Microsoftは機械学習(ML)をより容易に利用できるようにする手段を模索し続けている。同社は2018年に、カスタム化された深層学習(DL)モデルの構築や訓練、配備、製品化のためのプラットフォームを手がけるサンフランシスコの新興企業Lobeを買収しており、米国時間10月26日にそのテクノロジーを活用した「Lobe」アプリ(パブリックプレビュー版)の提供を開始した。

提供:Microsoft
「Lobe」アプリはMLモデルを訓練するためのものであり、データ科学の知識がない人でもアプリに画像をインポートし、ラベルを付け、MLデータセットを作り出せるようになっている。アプリは無料で、「Windows」向けと「Mac」向けが用意されている。
Microsoftによると「Lobeは、適切なMLアーキテクチャーを自動的に選択し、セットアップや構成を一切必要とせずに訓練を開始する」という。また、リアルタイムで結果を可視化する機能によって、ユーザーはモデルの長所と短所を評価できるとともに、パフォーマンスを向上させるためにモデルを変更できる。いったん訓練が終了すると、ユーザーはそのモデルをさまざまな業界標準のフォーマットに適合するようエクスポートでき、どのようなプラットフォームにも引き渡すことができるとLobeのウェブページで説明されている。
同社によると、今のところLobeがサポートしているのは画像分類だが、将来的には他のモデルやデータ型のテンプレートもサポートするという。「近々登場する」とされているものには、画像内の物体の位置を特定する物体検知や、データのコンテンツに基づいてテーブル内のデータをラベル付けするデータ分類が含まれている。
Lobeはクラウドにアップロードしなくてもデータを使用できるという点で、プライバシーを懸念する人々に対するより適切なソリューションだとMicrosoftは位置付けているようだ。アプリはローカルでデータを訓練、保存することが可能で、Microsoftのさまざまな「Azure AI」のサービスを補完するとMicrosoftは説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。