C3.aiとMicrosoft、Adobeの3社は米国時間10月26日、新たなエンタープライズ向け顧客関係管理(CRM)システム「C3 AI CRM」の立ち上げを発表した。C3 AI CRMは業界に特化したプラットフォームであり、企業はこれを利用することで、顧客データをリアルタイムのプロファイルに統合し、クロスチャネルのジャーニーオーケストレーションを実現できるようになる。
この製品は「Open Data Initiative」(ODI)の共通データモデルを活用する。「Adobe Experience Cloud」と「C3 AI Suite」「Microsoft Dynamics 365」を組み合わせたサービスとなる。データを統合し、収益のサプライチェーン全体を通じたリアルタイムの予測的洞察を推進していくことを目的としていると3社は説明した。
このプラットフォームは、金融サービスやヘルスケア、通信、石油/ガス、製造、ユーティリティー(電力)、航空宇宙、自動車、公共、防衛、情報といった業界向けにあらかじめビルド、設定される。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏は、「2020年は、デジタル技術で強化された企業が、われわれが経験しているような劇的な変化に直面した際に、よりレジリエントで、変革力があることが明確になっている」とし、「われわれはC3.ai、Adobeとともに、『Dynamics 365』を利用した、新しいクラスの業界別のAIソリューションを市場に出し、組織が事業全体で業務をデジタル化し、リアルタイムのインサイトを引き出せるようにしている」と述べている。
C3.aiは、これまでにも同様の主旨で数々の企業と提携してきた。3月にはMicrosoftと提携し、企業と政府のデジタル変革を推進することにフォーカスした新しい研究コンソーシアムを立ち上げた。また同時期に、IBM Servicesとの戦略的アライアンスを発表し、IBMがC3.aiプラットフォームの推奨グローバルシステムインテグレーターとなることを明らかにした。このアライアンスは、「エンタープライズスケールの業界特有、領域特有のAIアプリケーションの提供を急速に進展させる」狙いがあると両社は説明した。
2019年には、Baker Hughesとジョイントベンチャーのパートナーシップを組み、C3.aiのプラットフォームとアプリケーションを、業界や技術の専門性とともに、共同で石油・ガス業界に提供すると発表している。さらに2018年には、Microsoftとの戦略的提携を発表し、「Azure」を推奨パブリッククラウドプラットフォームとして利用するとしていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。