Cisco Systemsは米国時間10月28日、ハイブリッドクラウド運用プラットフォームなどのアップデートを発表した。同社が3年前に37億ドル(約3860億円)で買収した、アプリケーションパフォーマンス管理のAppDynamicsとの統合も含まれている。
「Cisco Intersight」プラットフォームは、2017年に発表された。「Cisco Unified Computing System(UCS)」や「Cisco HyperFlex Systems」向けのクラウドベースの管理プラットフォームとして機能する。
Cisco Intersightのアップデートには、アプリケーションのリソース管理を簡素化するための「Cisco Intersight Workload Optimizer(IWO)」の新機能もある。これは、フルスタックの可視性と洞察をリアルタイムで提供できる単一のツールとして機能する。「Cisco AppDynamics」と統合されたIntersightプラットフォームの利用によって、アプリケーションやインフラを横断した可視性がさらに向上する。
新たな「Intersight Kubernetes Service」は、インフラチームがハイブリッド環境全体で「Kubernetes」とコンテナー化されたアプリケーションのライフサイクル管理を自動できるようにする。
またCiscoは、オンプレミス環境、仮想環境、クラウド環境を問わず、マルチクラウド環境を構成するデータセンターネットワーク運用のためのプラットフォーム「Cisco Nexus Dashboard」や、「Cisco Identity Services Engine」(ISE)も改良している。
さらにAppDynamicsも、クラウドネイティブアプリケーションを監視する際の複雑さを低減するために、新たな可視化インターフェースを採用する機能などが発表された。
Ciscoは、同社のツールやサービスを集中化、統合化し、容易に使用できるようにする取り組みの中、Intersightプラットフォームの新機能は、ソフトウェアに向けた同社の多面的なシフトを表すものになっていると述べた。
Ciscoのエンタープライズネットワーキング、クラウド担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるTodd Nightingale氏は、「Ciscoは本日、組織における変革の迅速化を支援する高度な洞察と自動化を提供するマルチクラウド運用のためのITプラットフォームを発表する」と述べ、「複雑さはチームをまひさせる。そしてシステムから力を奪い去り、脆弱なものにする。IT部門が業務部門の望むアジリティーを維持する上で、徹底的にシンプルなソリューションが必要となる」と述べた。
CiscoとAppDynamicsは2019年、「ITの中枢神経系」と両社が呼ぶものの構築に向け、両社の製品とサービスの統合を開始した。これは、IoTやサービス、API、アジャイル開発とともに人工知能(AI)を活用したマルチクラウド環境の統合という構想であり、AppDynamicsによると、実現には数年が必要だという。
Intersightの新機能とNexus Dashboardは2020年末までに、Intersight Kubernetes Serviceは2021年の前半に利用可能になる見込みだ。Cisco ISEの新機能は利用可能になっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。