Cisco Systemsは米国時間21日、同社の「Unified Computing System(UCS)」と「HyperFlex Systems」向けにクラウドベースの管理プラットフォーム「Intersight」を発表した。
Ciscoはクラウドベースのサブスクリプションサービスを同社の顧客に広めるべく、複数年にわたって取り組みを続けている。Ciscoのユニファイドコンピューティング担当マーケティングディレクターを務めるTodd Brannon氏によると、約18カ月間に及ぶ開発を経て結実したIntersightは、その取り組みの「頂点であり、出発点」になる。
Ciscoは、クラウドベースのIT管理は避けて通ることができない道筋だとしている。アプリケーションアーキテクチャのさらなる分散化、仮想化、エッジコンピューティングへの新たな需要などで、複雑化が進んでいるためだ。
「規模、複雑性、現代の業務スピードなど一切合切が組み合わさった場合、それらすべてを管理する人間の能力が追いつかなくなり始めている」とBrannon氏は述べた。
現在Ciscoのデータセンターの顧客は「UCS Central」や「UCS Director」など、さまざまなソフトウェアを使ってシステムを管理している。Intersightはこれらすべての機能を統合し、1つのサブスクリプションサービスとして提供する。
Brannon氏によると、UCSはすでに管理とプログラミングをクラウド上で完全に行えるため、Ciscoは「アーキテクチャ面でのアドバンテージ」がある。
さらにCiscoは数年前にMerakiを買収して、同社のクラウド管理型ネットワーキングソリューションを取得後、同種のサービスを展開した経験を持つ。Merakiがネットワーキング分野で、ミッドマーケットの顧客をつかんでいたように、CiscoはIntersightによって同社の事業をより小規模な顧客へと拡大したい考えだ。Brannon氏は、HyperFlexを購入している顧客の30%は、Ciscoのコンピューティング製品の新規顧客であると指摘した。
ローンチ時のIntersightは、カスタマイズ可能なインターフェースを備え、ロールベースのアクセスポリシーや要件に合わせて調整できる。また高機能サポートシステムにより、Ciscoのサポートチームが顧客の環境をスキャンして、問題を予測的に通知する。
またIntersightは機械学習を利用して、提供する実用的インテリジェンスを向上できる。UCSユーザーのさまざまな体験や、Ciscoの専門家のベストプラクティスを学習することで、予測的な分析とリソース利用を実現する。
Ciscoは第4四半期より、UCSとHyperFlexの顧客にIntersightのベーシック版(Base Edition)を無料で提供するほか、エッセンシャル版(Essentials Edition)も用意する。
Ciscoは将来的に、顧客が独自にホスティングできるIntersightも開発する計画だ。それにより事実上のシステム管理向けプライベートクラウドが実現する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。