IBMとAT&Tは米国時間10月29日、顧客企業が「IBM Cloud Satellite」をAT&Tの5Gネットワーク経由で利用できるようにするための提携を発表した。Cloud Satelliteは、「IBM Cloud」環境やオンプレミス環境、エッジ環境で実行されているアプリを、実行場所にかかわらず管理できるハイブリッドクラウドプラットフォームだ。
この提携により両社は、「Red Hat OpenShift」を活用したCloud SatelliteをAT&Tのネットワーク経由で利用可能にするために協力していくことで、顧客企業がハイブリッドクラウド環境の自社アプリを管理できるように支援していく。
OpenShiftを基盤とするCloud Satelliteによって、顧客はIBMのクラウドサービスとセキュリティサービスにどこからでもアクセスできるようになる。AT&Tの5Gネットワークを組み合わせることで、規制への厳格な準拠が求められている業界の顧客に対して5Gの力をもたらし、ユーザーエクスペリエンスの向上や、新たな収益源の発掘、プロセスの最適化が実現されると両社は述べた。
IBMによると今回の提携によって、複数のクラウドや、大量のエッジデバイスをまたがるサービスを高い信頼性とセキュリティの下で管理できる単一のダッシュボードをユーザーが利用できるようになるという。
IBMは、今回の提携が、OpenShiftを軸にして同社のソフトウェアプラットフォームを改革するというコミットメントを反映したものだとしている。同社はVodafoneやVerizon、Bharti Airtelといった通信事業者と協力し、このオープンアプローチを展開している。また、この提携は、IBMとAT&Tが1年前に、AT&Tが内部のワークロードをIBM Cloudに移行することなどで締結した戦略的合意をベースにしている。IBMはAT&Tのハイブリッドクラウドインフラを管理する役割を担い、IBMはAT&T Businessを主要ソフトウェア定義ネットワークプロバイダーとして利用している。
IBM Hybrid CloudのシニアバイスプレジデントHoward Boville氏は、「5Gとエッジの進化はあらゆる業界に影響し、顧客のための強化されたエクスペリエンスや、企業の新たな収益機会の可能性をもたらしている」とし、「AT&Tとともに、IBMのオープンでセキュアなハイブリッドクラウドプラットフォームで、クライアントがどのような環境でも、セキュアに5Gとエッジのサービスを活用できるよう支援していく。これはエンタープライズで5Gとエッジの可能性を広げる上で大きな一歩となる」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。