IBMとAT&T、5G時代のハイブリッドクラウドサービスで提携強化

Natalie Gagliordi (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-10-30 10:46

 IBMとAT&Tは米国時間10月29日、顧客企業が「IBM Cloud Satellite」をAT&Tの5Gネットワーク経由で利用できるようにするための提携を発表した。Cloud Satelliteは、「IBM Cloud」環境やオンプレミス環境、エッジ環境で実行されているアプリを、実行場所にかかわらず管理できるハイブリッドクラウドプラットフォームだ。

 この提携により両社は、「Red Hat OpenShift」を活用したCloud SatelliteをAT&Tのネットワーク経由で利用可能にするために協力していくことで、顧客企業がハイブリッドクラウド環境の自社アプリを管理できるように支援していく。

 OpenShiftを基盤とするCloud Satelliteによって、顧客はIBMのクラウドサービスとセキュリティサービスにどこからでもアクセスできるようになる。AT&Tの5Gネットワークを組み合わせることで、規制への厳格な準拠が求められている業界の顧客に対して5Gの力をもたらし、ユーザーエクスペリエンスの向上や、新たな収益源の発掘、プロセスの最適化が実現されると両社は述べた。

 IBMによると今回の提携によって、複数のクラウドや、大量のエッジデバイスをまたがるサービスを高い信頼性とセキュリティの下で管理できる単一のダッシュボードをユーザーが利用できるようになるという。

 IBMは、今回の提携が、OpenShiftを軸にして同社のソフトウェアプラットフォームを改革するというコミットメントを反映したものだとしている。同社はVodafoneやVerizon、Bharti Airtelといった通信事業者と協力し、このオープンアプローチを展開している。また、この提携は、IBMとAT&Tが1年前に、AT&Tが内部のワークロードをIBM Cloudに移行することなどで締結した戦略的合意をベースにしている。IBMはAT&Tのハイブリッドクラウドインフラを管理する役割を担い、IBMはAT&T Businessを主要ソフトウェア定義ネットワークプロバイダーとして利用している。

 IBM Hybrid CloudのシニアバイスプレジデントHoward Boville氏は、「5Gとエッジの進化はあらゆる業界に影響し、顧客のための強化されたエクスペリエンスや、企業の新たな収益機会の可能性をもたらしている」とし、「AT&Tとともに、IBMのオープンでセキュアなハイブリッドクラウドプラットフォームで、クライアントがどのような環境でも、セキュアに5Gとエッジのサービスを活用できるよう支援していく。これはエンタープライズで5Gとエッジの可能性を広げる上で大きな一歩となる」と述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  4. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  5. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]