シトリックス・システムズ・ジャパンは11月5日、「Micrsoft Azure」専用のDesktop as a Service(DaaS)「Citrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azure」(CVAD Standard Azure)の提供を開始した。仮想デスクトップ基盤(VDI)の煩雑な運用や構築時の初期費用を軽減し、月額運用も可能という。参考価格は月額8.75ドルから(1000ユーザー、1年契約の場合)となる。
AzureのDaaSは「Windows Virtual Desktop(WVD)」がすでに存在するが、日本マイクロソフト パートナー技術統括本部 クラウドソリューションアーキテクト 高添修氏は「悔しいくらいキレイにできている」とCVAD Standard Azureを評した。
セキュリティリスクの低減やIT管理者の保守・管理負担を軽減し、コロナ禍のような状況で必要になったリモートワークへの優位性など、VDIが持つ利点は多い。
だが、VDI環境を構築するにはオンプレミスのVDIサーバーを用意し、ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)など仮想デスクトップが利用するリソース調整が煩雑になるという欠点は否定できない。そのため、クラウドベースで気軽に利用できるDaaSへの移行を検討する企業も増えているが、この声に応えたのがCVAD Standard Azureである。

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CVAD Standard Azureは2つの構成を用意する。
Citrix Cloudと利用者が管理する、オンプレミスのActive Directory(AD)もしくはクラウドのAzure Active Directory(AAD)やデータをSD-WAN、もしくは「Azure Virtual Network Peering」で接続する旧Citrix Managed Desktopを改称した構成。もう1つは利用者が契約したAzureをCitrix Cloudで接続する構成。
前者は仮想マシンの展開先として国内リージョンを選択できず、今回の国内提供は見送られた。後者は東日本と西日本のリージョンに仮想マシンを展開し、ライセンスの持ち込みや社内接続といった詳細要件に対応。契約形態はは年次や月次のライセンス、さらに利用者数もしくはデバイス数、同時接続ライセンスを用意し、組織が契約しているAzureの持ち込みも行える。

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シトリックスは、この他にも「Citrix Virtual Apps and Desktop Advanced Service」や「Citrix Virtual Apps and Desktop Premium Service」(旧Virtual Apps and Desktops Service)といった仮想化ソリューションを提供しているが、それらは1000ユーザー以上の中堅企業や大企業が対象。今回のCVAD Standard Azureは中小企業から大企業向けの25~2000ユーザー規模によるリモートワーク向けとなる。