電通デジタルはナレッジコミュニケーションと協業し、営業活動における顧客の購買、解約、嗜好性といった予測モデルの開発を支援するコンサルティングサービスの提供を開始した。同サービスでは、「説明可能なAI(explainable AI:XAI)」の手法を用いたアジャイル型開発を利用する。
一般的なAI開発と電通デジタルのAI開発の違い(出典:電通デジタル)
同サービスでは、AIが苦手としていた複雑な予測結果の根拠を利用者に説明することができ、予測モデルを実際に活用する営業現場において、担当者が分析結果に納得した上で確実な営業活動を行うことが可能になるという。これまでに実施したプロジェクトの成果では、見込み顧客からの「受注率」や若手スタッフの「アプローチ成功率」において、大幅な改善結果が得られたとしている。
自社データ(1st Partyデータ)を統合し、顧客の購入確度や継続受注など購買の予測モデルを構築する際に、膨大な自社データをAI/機械学習を活用することで、最適なアプローチにつなげようとするケースが増えている。一方で、AI/機械学習のPoC(概念実証)で開発した予測モデルの結果が、現場で活用されることなく実運用に至らないという課題に直面している。要因として、ウォーターフォール型でPoCの工程を着実に段階的に進めていくプロセスが定着しており、開発途中での変更や追加が困難なことが挙げられている。
電通デジタル式「XAI×アジャイル」アプローチの概要(出典:電通デジタル)
今回提供するサービスでは、XAIを用いた予測モデルのプロトタイプをアジャイル型で素早く構築し、予測結果を利用する現場スタッフや営業担当者からのフィードバックの反映と改善を高速で繰り返すことで、現場のニーズに沿った営業アタックリストや顧客プロファイルシートを迅速に提供するという。
また、ナレッジコミュニケーションのAI/機械学習に特化した統合データ分析基盤「Databricks」を活用することで、エンタープライズレベルのデータ処理を高速に開発/分析できる環境を素早く構築する。これにより、自社に開発環境を保有していない企業でも導入することが可能となり、環境構築を含めて3〜6カ月でPoCを実施できるという。