電通と電通デジタル、日立製作所は、共同でテキスト解析プラットフォーム「mindlook(マインドルック)」を新たに開発した。
電通グループは開発に当たり、日立を協創パートナーとして選定し、電通グループの独自の辞書情報と、日立の高精度な感性分析技術を組み合わせ、共同で開発を推進した。日立は、生活者が発信する多様かつ大量のテキストデータの処理に対応するシステム基盤の開発から運用保守までトータルにmindlookを支援する。
mindlookは、日本語のテキストデータをデータソースとして、自然言語処理を提供する、独自開発の分析プラットフォーム。日本語の表現が豊かであるために、従来は多くの時間と専門的知識を要した、SNSなどのデジタル上の生活者の声を短時間で分析できる。電通グループが有する豊富なマーケティングの知見と、生活者視点で作られた独自辞書情報を活用している。
電通と電通デジタルは、同プラットフォームを活用したコミュニケーションデザイン領域のコンサルティングの提供も開始した。
mindlookの概念図
感性抽出では、日立が有する自然言語処理技術により、従来の分析軸「ポジティブ/ニュートラル/ネガティブ」にとどまらず、81種類の感情を自動的にタグ付けすることが可能となっている。さらに、抽出された感性をより生活者視点で解釈するため、電通グループの知見で独自のラベリングを行うことで、生活者が「どの話題について」「どんな気持ちで」書き込みを行ったかこれまで以上に詳細かつ可読性のある分析が可能だ。
取り扱うテキストデータは、SNSやECサイトの評価コメントなどのインターネット上の生活者の声から、コールセンターの会話記録や問い合わせメールなど、企業内部に有する生活者の声まで、様々なテキスト化されたデータの分析が可能だ。
また、マーケティングファネル(認知/意向/体験/リピート)分析やトピック分析が可能になった。電通グループの知見に基づく独自辞書と、それを学習する日立の自然言語処理技術の組み合わせにより、社会の変化の兆しをとらえた新語やトレンドワードも含め、生活者からの声を約800のトピックに分類し、ブランドやカテゴリーに対する声をマーケティングファネルに分類することが可能だ。
ユーザーインターフェースは、電通グループのアナリストやプランナーが従来時間をかけて行ってきた分析プロセスに基づいて、直感的な分析ができるよう、日立のインフラ構築技術によって実現している。テキストデータをアップロードするだけで、分析者が必要とする情報を視覚的に把握できるダッシュボードが構成でき、非常に簡単な操作で感性・トピック・ファネルなどのさまざまな軸によるフィルタリングが実行できる。