「Windows 10」の機能提供方法が変わる?--「Feature Experience Pack」をテスト中

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-01-28 12:18

 Microsoftは、「Windows 10」に機能を提供する新たな方法である「Windows Feature Experience Pack」をテストしているところだ。同社は米国時間1月26日、Feature Experience Packの最新版である「バージョン120.2212.2020.0」を「Windows Insider Program」の「Beta」チャネルに登録しているテスター向けにリリースした。

 同社がFeature Experience Packによる機能提供を試験的に始めたのは、2020年に「Windows 10 May 2020 Update」をリリースした頃のことだった。

 同社はFeature Experience Packについて当初は口を閉ざし、それがどういったものであるのかを説明していなかったが、Windows 10に対する機能アップデートを、従来の機能アップデート経由ではなく、「Microsoft Store」経由で提供するための方法だと推測されていた。

 MicrosoftのプログラムマネージャーであるBrandon LeBlanc氏はWindows Insider Blogへの投稿に、「われわれはInsider Programのテスターらとともに、Windows 10の主要機能アップデート以外の方法で新たな機能向上を顧客のもとに届けるための新たなプロセスをテストしているところだ」と記している。

 そして、「現在は、厳選した機能追加/改善から手を付け始めている。将来的には、その範囲とリリースの頻度を拡大していきたいと考えている」と続けている。

 最初のFeature Experience Packには、アップデートされた「Snipping Tool」(画面キャプチャーツール)や、テキスト入力パネル、シェルのサジェスチョンUIなどが含まれていた。

 2020年11月末にリリースされたFeature Experience Packのアップデートでは、Snipping Toolのエクスペリエンスと、タッチキーボードに対する機能向上がもたらされていた。

 今回リリースされたアップデートの目的は、Snipping Toolの信頼性向上、特にクリップボードに頻繁にアクセスするアプリとともに用いる際の信頼性向上に関するものとなっている。

 またMicrosoftは、キャプチャーした画面を「File Explorer」のフォルダー内に直接貼り付ける機能を削除している。その理由は、Insider Programのテスターからのフィードバックによって、同機能の問題(詳細は明かされていない)が発見されたためだという。

 LeBlanc氏は「われわれは、この問題に対処した後、今後のアップデートで同機能を復活させたいと考えている」と記している。

 Feature Experience Packのアップデートは、累積アップデートと同様に「Windows Update」を通じて提供される。

 Insider ProgramのBetaチャネルでこのアップデートを入手するには、「Windows 10 20H2」の「Build 19042.662」以降をインストールしている必要がある。

 LeBlanc氏によると、MicrosoftはFeature Experience Packを、セキュリティに関係しない月例の累積アップデートの一環にする計画だという。

 Microsoftは、Windows 10の機能アップデートを年に2回配信する形を大きく変更することについて評価する中、今回のような配信の仕組みをテストしている。同社は「Windows 10 21H1」あるいは「春」の機能アップデートをリリースしない可能性もある。大規模な「21H2」となる「秋」の機能アップデートを「Windows 10X」のリリースと合わせてリリースするとの予想もある。

 またMicrosoftは、Windows 10のユーザーインターフェースを、「Sun Valley」アップデートの下で大幅に変更する計画もあるとされている

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]