Boxは米国時間2月3日、オランダの電子署名ソリューション企業SignRequestを買収すると発表した。5500万ドル(約57億8000万円)規模の買収となる。Boxは電子署名市場に参入しようしており、電子署名サービス「Box Sign」をリリースする予定だ。Box SignはSignRequestの技術をベースとして開発され、Boxにネイティブに組み込まれる。
Boxの最高経営責任者(CEO)Aaron Levie氏は、同社は長い間、電子署名サービスの分野に関心を持っていたとしている。今回この市場に参入する「時が来た」とツイートした。
今Boxがこの分野に意欲を見せているのは、ひとつにはリモートワークの拡大と、コロナ禍でエンタープライズのワークフローのオンラインへの移行が進んでいることが関係している。また、Boxはある種の過渡期のさなかにあり、オンラインファイルストレージ企業としての原点からさらなる進化を遂げ、エンタープライズ向けのコンテンツ管理のためのクラウドレイヤーを提供しようとしている。
SignRequestの買収と電子署名サービスの立ち上げは、Boxの変化と成長戦略に直結し、より広範なコンテンツ管理プラットフォームを目指すという同社の野望を支える。
Levie氏はブログで「SignRequestの買収と、この夏に予定しているBox Signのリリースによって、コンテンツのライフサイクル全体を単一のクラウドプラットフォームで完了できるよう顧客を支援していく」としている。「コンテンツに並外れた価値があることは疑いようがない。しかし、企業がその価値を実感するには、社内でも社外でもチームのコラボーレーションを強化するとともに、コンテンツのセキュリティとコンプライアンスを維持する、統合された単一のコンテンツレイヤーが必要だ。Boxのコンテンツクラウドは、コンテンツが作られたその時から、アップロード、共有、編集、公開、承認、署名、分類、保持まで、1つでコンテンツをすべて管理できるセキュアなプラットフォームを企業に提供する」
Box Signはリリース時点でBoxのビジネスプランとエンタープライズプランに組み込まれ、データガバナンス、コンプライアンス、セキュリティの機能に統合される予定だ。また、Salesforceのコネクターなどを利用し、契約を素早く完了できるようになる。いずれ、多くの生産性アプリケーションや業務アプリケーションと統合されるという。
SignRequestは、Box傘下の組織として新規の顧客と既存の顧客のサポートと運用を継続する。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。