海外コメンタリー

BoxのレヴィCEOが今、考えていること(前編)--クラウド、テクノロジスタック、未来の業務

Michael Krigsman (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2018-05-24 06:30

 イノベーションと破壊的変革はテクノロジの世界で絶え間なく起こっており、あらゆる業界に大きな影響を与えている。クラウドコンピューティングの先駆者であるBoxの最高経営責任者(CEO)が、イノベーションに対する自らの考えを語るとともに、最高情報責任者(CIO)らに対するアドバイスを提供してくれた。

 組織は反復可能なプロセスを入手することで成功を収められる。安定期にある場合には特にそうだ。組織はこうしたプロセスによって、過去の実績に裏打ちされた製品やサービスを顧客にもたらす。顧客はそのことを理解しているため、安心して製品やサービスを購入できる。すべてがウィンウィンの関係となるわけだ。

 とは言うものの、過去の実績に裏打ちされている安定したプロセスは、変化ではなく現状維持を好む。顧客の期待や、テクノロジ、競合が目まぐるしく動いている場合、成功をもたらした伝統やアプローチが企業にとって大きな頭痛の種となる場合もある。旧来のプロセスやビジネスモデル、成果報酬、文化的な考え方が画期的な製品やサービスの市場への投入を阻むというのであれば、それは企業の重荷というほかない。

 3月に米国事業の清算を発表したToys"R"Usは、変化に適応できなかった企業の好例だ。ただ、同社はほんの一例にすぎない。

 1955年にFortune 500に名を連ねていた企業のなかで、2017年も名を連ねているのは60社のみだ。2017年だけでも、かつては強力なブランドだったHessFMC TechnologiesBarnes & Nobleを含む15社が同リストから姿を消している

 エンタープライズソフトウェア業界では、サポートや保守から利益率の高い収益が得られるオンプレミス製品と、顧客からの導入要求が強い一方で経済的な難題を既存ソフトウェア企業に突きつけるSaaS製品との間で、壮大な戦いが展開されてきている。

 新旧のビジネスモデルの間における対立に対処するということが、現代のリーダーシップの解決すべき課題であるのは明らかだ。デジタル変革というコンセプトは、どの業界であるかにかかわらず、イノベーションの最前線で自社の適応を支援しようと努力しているチェンジエージェント(変革に向けた仲介者)について包括的に語るうえで有益だろう。

 BoxのCEOであるAaron Levie氏は、エンタープライズソフトウェア業界において最も成功している、そして積極的に発言しているイノベーターの1人だ。

 Levie氏はインタビューのパート1で、テクノロジと、未来の業務をめぐる重要な力学について語ってくれた。こうした力学は、IT業界における最高情報責任者(CIO)をはじめとする人々にとって深い意味合いを持っている。

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