KPMGコンサルティングは2月16日、「情報連携高度化AIソリューション」の提供を開始した。同ソリューションは、人工知能(AI)を活用して組織間の情報共有を支援する。それに伴い同日、説明会が開催された。
企業では、情報共有が不十分なことにより、トラブルの長期化や研究開発プロジェクトの重複といった問題が発生し得る。その背景について、同社 Advanced Innovative Technology シニアマネジャーの清水俊雅氏は「従来の情報共有における起点が人に依存しているため」と指摘する。
Advanced Innovative Technology プリンシパルの山本直人氏は、情報連携高度化AIソリューションの全体像を説明(図1)。人は企業活動において、さまざまな文書をアウトプットとして残し、知見と呼ばれるデータを日々生産している。同ソリューションでは、AIがそうしたデータを分析し、その内容や文書を書いた従業員が知りたいことを把握する。
そして、その従業員の関心に関連するトピックを提示する。また何か困ったことがあった際、社内のデータを分析して、それを解決できそうな人物を探し出す。加えて、週報などをまとめ、従業員が自分に関係のあるトピックを完全に把握できるようにする。さらに社外のニュースも集め、社内のニュースと組み合わせて提案する。
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「従来は人から情報を取りに行っていたが、われわれは“データの方がやって来る”という世界を目指している。より多くの情報を収集できるようにすることで、人々の意思決定の高度化につなげていく」と山本氏は語った。
最後に同社は、同ソリューションのデモを実施した。分析対象のデータは、KPMGジャパンのホームページに掲載されているニュースリリース。図2の左端にある「Data Sauce」でニュースリリースの主体である企業、「Date」で発表された期間を指定する。すると、ニュースリリースがカテゴリーごとに表示される。
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また「e-sports」と検索すると、このテーマに関するデータが表示される(図3)。右下の「Document Category」には、詳細なカテゴリーが並んでおり、クリックするとそれに関するリリースを確認することができる。報告書などを分析した場合、執筆した人物が分かるので、そのテーマの有識者を見つけることが可能だという。
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