Ciscoは米国時間3月2日、急成長しているビデオ会議プラットフォーム「Webex」向けの無料のリアルタイム翻訳機能を発表した。3月中にプレビュー版が利用可能になり、5月に一般提供される予定だ。話された英語を100以上の言語に翻訳し、キャプションを表示する。
Ciscoのセキュリティおよびアプリケーション担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのJeetu Patel氏は声明の中で、リアルタイム翻訳機能は非常に多くの言語に対応しているため、「言語や地域などの要因に関係なく、ユーザーにとって公平な場」を作り出す上で役立つと説明している。「グローバルなリアルタイム翻訳を可能にすることは、インクルーシブな未来の実現に向けた新たな1歩であり、より優れたチーム間のコミュニケーションと共同作業を促進する重要な要素だ」(Patel氏)
Ciscoはこれまで、英語から10以上の言語へのリアルタイム翻訳を提供するとしていたが、このプラットフォームの現在の言語ライブラリーは大幅に拡張されているという。翻訳機能は、アラビア語やオランダ語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、北京語、ロシア語、スペイン語といったよく使用される言語だけでなく、デンマーク語やヒンディー語、マレー語、トルコ語、ベトナム語などの言語でも利用できる。
Metrigyが先頃発表したインテリジェントバーチャルアシスタントに関するレポートによると、参加者の24%近くは、会議のメンバーに英語以外の言語を母国語とする人がいることが分かったという。それらの回答者のうち、半数以上はサードパーティーのサービスを使用して会議をほかの言語に翻訳しており、その平均コストは会議1回あたり172ドル(約1万8000円)に上る。Ciscoはこのレポートを引用し、 言語翻訳機能のあるインテリジェントなオンライン会議アシスタントは、コストを大幅に削減できるとしている。
コロナ禍でリモートワークが拡大したことで、ほかのビデオ会議ツールやクラウドコラボレーションツールと同様に、Webexのユーザー数は急増している。Ciscoが2月に発表した第2四半期決算によると、Webexの売上高は第2四半期に2桁の成長を記録したという。Webexの第2四半期の平均ユーザー数は約6億人となっている。
最高経営責任者(CEO)のChuck Robbins氏は第2四半期決算発表の電話会議で、「われわれは前例のないペースでコラボレーション市場に驚異的な革新をもたらしている」と述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。