フランスのクラウドコンピューティングプロバイダーであるOVHcloudは、大規模な火災によってストラスブールにある一部のデータセンターが被害を受けたことを明らかにした。
OVHcloudの創業者で会長のOctave Klaba氏は現地時間3月10日、火災の最新情報をTwitterに投稿し始めた。Klaba氏によると、少なくともデータセンター1棟が破壊された。
OVHcloudは、世界的にクラウド、専用サーバー、マネージドベアメタルサービスを提供しており、その顧客は150万社を上回る。
同社は米国、英国、フランス、オーストラリアなどの国々で、27のデータセンターを管理している。
データセンターは顧客の膨大な量のデータを管理しているため、セキュリティを徹底させる必要がある。OVHcloudも物理的アクセスは従業員に限定し、現場にはセキュリティ要員が常駐していたが、それでも火災の発生を防ぐことができなかった。
「SBG2で大規模なインシデントが発生した。建物内で火災が発生。消防士が即座に現場に駆けつけたが、SBG2の火事を制御できなかった。サイト全体が隔離されたため、SGB1-4の全サービスに影響が出ている」と、Klaba氏はツイートした。
火災が発生したデータセンターにはSBG2が含まれており、完全に破壊された。SBG1の一部も被害を受けたが、消防士はSBG3を守ることができた。SBG4は火事の影響を受けていないとのこと。またKlaba氏によると「全員無事だった」。
ソーシャルメディアに投稿された写真から、被害の深刻さを見てとることができる。
「消防士は今も水を使って建物を冷却しようとしている。そのためサイトにはアクセスできない。SBG1、SBG3、SBG4を今日から再稼動できないのは、そのためだ」(Klaba氏)
火災は現在鎮火されたが、データセンターが受けた全体的な被害の評価には時間がかかる見通しだ。同社はバックアップを使用して、ダウンタイムと混乱を最小限に抑えるよう顧客に強く呼びかけている。
「障害復旧計画の実施を推奨する」(Klaba氏)
本稿執筆時点でKlaba氏は現場におり、アップデートで次のように述べている。
SBG3にあるUPS(無停電電源装置)のシャットダウンを完了した。現在は停止している。SBG3に入ってサーバーを確認したい。目標は、少なくともSBG3とSBG4、そして可能ならSBG1を再稼動する計画を立てることだ。そのためには、ネットワークルームも確認する必要がある。
10時19分のアップデート(グリニッジ標準時間):Klaba氏によると、「SBG3のサーバーは全て問題ない。停止させているが影響なし。再稼動させて、ネットワークに接続するための計画を立てる。ただETA(具体的な予定時刻)は不明。SBG1の検証を開始する」とのこと。
12時26分のアップデート(グリニッジ標準時間):復旧のためのロードマップを公開。
米ZDNetはOVHcloudにコメントを求めている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。