マイクロソフト、「Azure」の可用性ゾーン拡大を約束

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)

2021-03-18 13:27

 Microsoftは、2020年に「Microsoft Azure」の「可用性ゾーン(Availability Zone)」の範囲を徐々に広げ始めていた。同社は米国時間3月17日、Azureの可用性ゾーンを2021年末までに、同社がデータセンターを運営しているすべての国で提供し、さらに今後データセンターを開設するAzureのすべての新リージョンでも提供すると公式に約束した。

 Microsoftは2018年3月、データセンターを障害から保護する Azure可用性ゾーンの一般提供を、まず米国中部とフランス中部で開始した。可用性ゾーンは、Azureのリージョン内に設定されており、独自の電源設備やネットワーク設備、冷却設備が用意されている。同社によると、可用性ゾーンが利用可能なリージョン内には少なくとも3つの独立したゾーンがあり、対象サービスで稼働率99.99%というサービス水準合意(SLA)を提供できるという。

 市場調査会社Gartnerは2020年9月、Microsoftがクラウドインフラおよびプラットフォームサービス分野のベンダーの中で、リージョン数に対する可用性ゾーン数の比率が最も低く、可用性ゾーンモデルに対応しているサービスも限定的だとしていた。その後、Microsoftは可用性ゾーンの対象地域を拡大し、カナダ、オーストラリア、および、今週ブラジルでサポートを追加した。また、同社は17日に、2021年末までにすべての基本サービスとメインストリームサービスで可用性ゾーンをサポートすると述べた。

 可用性ゾーンは、災害復旧と事業継続性に関心を持つユーザーにとって重要な機能である上に、MicrosoftとAmazon Web Services(AWS)にとっては、クラウドサービスの差別化や定義にも関わる。MicrosoftはAzureについて、すべてのパブリッククラウドベンダーの中で全世界における施設規模が最大であり、発表された利用可能なAzureのリージョンが60を超えるという「事実」をしきりに喧伝している(Microsoftは、Azureのリージョンを、「待機時間で定義された境界内でデプロイされ、低遅延の専用リージョン ネットワークを使用して接続された一連のデータセンター」と定義している)。一方、AWSではリージョンを、2つ以上の可用性ゾーンで構成されると定義している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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