Googleが提案している「FLoC」(Federated Learning of Cohorts)に反発する動きが相次いでいる。物議を醸しているFLoCは、サードパーティークッキーの代わりに利用できる広告のための識別子だが、WordPress Coreのコミュニティーでは、FLoCをデフォルトでブロックすべきだという提案が上がっている。
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提案者は「WordPressはウェブの約41%を支えており、このコミュニティーは4行のコードで、人種差別や性差別、反LGBTQ+差別、精神疾病患者への差別と闘うことができる」と主張している。
また提案では、FLoCを有効にしたいユーザーに関して、そのようなユーザーは自分でFLoCを有効化する手段を取れる可能性が高いほか、もう少しコードを増やせば、ブログの設定項目でFLoCのオン/オフを切り替えられるようにすることもできるとも述べている。
「関係者の利害や、これが緩和のための対応が必要な問題であることにそもそも気づいていないウェブサイト管理者のニーズ、これらのサイトのユーザーや訪問者の利害のバランスを考慮すると、そのような対応を取る方が適切だ」
また提案者は次のように述べ、この対応を現在のユーザーに届けるためには、FLoCへの対応をセキュリティ問題として扱うことで、7月に予定されている次のメジャーリリースを待たずに対応できるようにし、コードを古いバージョンにもバックポートすべきだと主張している。
「現在の予定では5.8がリリースされるのは2021年の7月だが、FloCは4月中にロールアウトされる可能性が高い」
「それに加えて、かなりの数のWordPressサイトは、マイナーバージョンへのアップデートしか行わない。バックポートすれば、より多くのサイトや、それらのサイトへの訪問者を守ることができ、影響を増幅することができる」
FLoCに対しては、電子フロンティア財団(EFF)やChrome以外の複数のブラウザー開発コミュニティーなどから、最近のブラウザー履歴のサマリー情報を広告業者と共有する技術だとして、厳しい批判が寄せられている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。