Pulse Secureは米国時間4月20日、VPN製品のPulse Connect Secure 9.0R3およびそれ以降のバージョンに存在する認証を迂回されてしまう脆弱性(CVE-2021-22893)の情報を公開した。セキュリティ企業のFireEyeは脆弱性を悪用する攻撃を確認したという。
Pulse Secureによると、第三者が脆弱性を悪用した場合に、リモートで認証を迂回し任意のファイルを実行できるようになる。共通脆弱性評価システム(CVSS) バージョン3.1による脆弱性の影響度評価は「10(クリティカル)」に分類されている。
同日時点で修正パッチは提供されておらず、Pulse Secureはこの脆弱性に関するアドバイザリーページで、脆弱性の影響を緩和するための「Workaround-2104.xml」ファイルを公開した。このファイルを適用することで、Windows File Share BrowserおよびPulse Secure Collaborationの機能が無効化される。ただし、Pulse Connect Secure 9.0R1~9.0R4.1もしくは9.1R1~9.1R2では、この緩和策のためのファイルが機能しないという。併せて侵害などの状況を確認できるツール「Pulse Connect Secure Integrity Tool」も公開している。
FireEyeはブログで、直近になって今回の脆弱性や既知の脆弱性を悪用する政府機関や防衛、金融を狙ったサイバー攻撃に対応したことを明らかにした。同社によれば、Pulse Secureからの修正パッチの提供は5月上旬になるという。