彼は最近、ワクチン接種を警戒するTrump支持者のグループインタビューを開催した。その結果は、ワクチン問題の解決の糸口のみならず、オンライントライブへの対策の糸口も与えてくれている。
トライブ信者があまりにも疑心暗鬼な場合、反感を持っている場合、事実に基づく論理的な話であっても聞いてもらえない。Luntz氏のグループインタビューから得られた教訓は、対象者を会話に参加させることの重要性だ。
自分が不信に思っている政治家や専門家の講義、あるいは命令を聞いているような印象を抱かせてはならない。彼らは往々にして、ソーシャルメディア上の友人や同じトライブ内の面識もない人など、正式な知識を一切持たない人を専門家よりも信用してしまう。
話を聞いてもらうには、外部からだけではなく、トライブ内からも正しいメッセージを発信する必要がある。これは容易ではないが、状況を改善していかなければ、より多くの人々が過激派に陥り、従来のコミュニケーションが通じなくなってしまう。
教育や「脱洗脳」は十分ではなく、また、正しい方法を取らなければ、事態が悪化することもある。大切なのは、しかるべきメッセージを、しかるべき方法で届けることだ。
これを考慮してソーシャルメディアのアルゴリズムを使えば、ワクチンの広告の中から、最も効果的なものを特定できるかもしれない。ご存知かとは思うが、筆者は機械と敵対するのではなく、機械とともに生きることが重要だと考えている。
この記事はAvastのブログを翻訳、編集したものです。
- Garry Kasparov
Human Right Foundation理事長
1963年旧ソ連アゼルバイジャン生まれ。現在はニューヨーク市在住。2005年からロシアの民主化運動を展開している。オックスフォード大学マーティンスクールの客員フェローとして、人と機械のコラボレーションを中心に講義を担当。ビジネスや学問、政治の領域を対象に意思決定、戦略、テクノロジー、人工知能をテーマとした講演活動を続けている。政治、認知、テクノロジー分野での執筆活動は大きな影響力を持っており、世界中の主要出版物で数多く取り上げられている。2016年にAvastのセキュリティアンバサダーに就任した。