海外コメンタリー

サイバーセキュリティ、「隠さない文化」の醸成が重要

Danny Palmer (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2021-06-09 06:30

 サイバーセキュリティを最も円滑に機能させるには、何らかの過ちを犯したとしても、自社の情報セキュリティチームは理解を示してくれるという点を従業員に納得してもらっておくことだ。というのも、従業員のうちの誰かがフィッシングのリンクをクリックしてしまったり、サイバー攻撃を許してしまったかもしれないと思った場合でも、そのことを隠そうとしなくなるためだ。そしてこれは、悪意あるハッカーたちに対する防御を組織全体で維持する上で役に立つ。

 犯罪者らはユーザー名とパスワードを手に入れようとして、あるいはマルウェアやランサムウェアの足掛かりを得ようとして、フィッシングを含むさまざまな手法を駆使してネットワークに侵入しようとするため、組織は日常的にサイバー脅威にさらされている。

 サイバー防御の本質は、攻撃者にとって必要なのは突破口を見つけるための1度の成功のみだというところにある。こうした突破口はしばしば、従業員がうっかりフィッシングメールにひっかかることで開かれ、チェックや検出がなされないまま放置されてしまうと、組織全体に著しい影響が及ぶ可能性もある。

 このため組織は従業員の心情を理解し、彼らがフィッシング攻撃や、その他の悪意あるアクティビティーを許してしまったかもしれないと思った場合、情報セキュリティチームに連絡するよう周知しておくべきだ。

 Kaspersky Labの主席セキュリティ研究者であるDavid Emm氏は米ZDNetのSecurity Updateに、「最も避けなければならないのは、従業員が職場にいるのか、自宅で働いているのかに関係なく、インシデントや過ちを隠蔽(いんぺい)するような文化を作ってしまうことだ」と語った。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]