ドイツのマインツ大学医療センターは、「IBM Cloud Satellite」を採用し、臨床プロセスをデジタル化した。
同センターは、約60の診療科で毎年35万人以上の入院患者と外来患者を診療している。IBMとの協業で新たに構築したソリューションには、ヘルスケアデータの安全なやりとりを容易にするものや、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査やワクチン接種のプロセスを円滑化するものが含まれる。
IBMはこれらのソリューションを、ハイブリッドクラウドについてのケイパビリティーやグローバルでの深い業界知識により、数週間で設計/実装した。
IBM Cloud Satelliteは、エッジ、オンプレミス、複数のパブリッククラウドなど、データの存在するあらゆる環境で安全にIBM Cloudのサービスを実行可能にする。
同ソリューションによるハイブリッドクラウドの展開により、同センターではクラウドサービスを安全かつ効率よく利用できるという。それと同時に、データをオンプレミスのデータセンターで管理することで、高度なデータ保護要件に準拠することも可能となった。ハードウェアとデータの管理権限は、常に大学医療センターが保持している。
また同センターは、最先端の医療、研究、教育の密接な統合を推進し、既に「IBM Watson Assistant」を使った仮想エージェントなどのIBMのテクノロジーを活用している。
さらに 医療スタッフのコミュニケーションとデータ共有のセキュリティを確保する「新メッセージシステム」や、アプリによる新型コロナウイルスの検査管理の仕組み、病院スタッフ向けワクチン接種予約の円滑化などに取り組んでいる。
特に現在試験利用中の新メッセンジャーシステムでは、病院スタッフが患者の健康状態を迅速に情報交換でき、患者データの閲覧/更新が可能となる。数カ月後にはIBM Cloud Satelliteにより、セキュリティを担保しながら全ての診療科をつなぐシステム全体のネットワークに展開する予定だという。