IDC Japanは7月5日、「Future of Workstyle(働き方の未来)」に関する企業ユーザー動向調査の日米比較の結果を発表した。新型コロナウイルス感染症のワクチンの普及後は、勤務場所をオフィス中心としながらも在宅勤務などのリモートワークも定着する「ハイブリッドワーク」が進むと予測している。
調査は2021年3月に実施された。回答によれば、ワクチン普及後は日米とも7割弱の従業員が週5日オフィスで勤務し、隔週以上の頻度で在宅勤務する従業員の割合が日本で約3割、米国では4割弱に達するとの見通しだった。米国は日本よりワクチン接種が進んでいるため、ハイブリッドワークの定着時期も先行する見込みであるものの、日本でも米国と同程度にハイブリッドワークが定着する可能性があるとしている。
一方で、ハイブリッドワークの課題には、「コラボレーションと生産性」「セキュリティ」「HR(人材資源)とカルチャー」などが上位に挙げられた。具体的には、チームワークや仕事、コミュニケーションに関する効率性や、慣れない最新ツールの使いこなし、新入社員のトレーニングとサポート、社内リソースアクセス時のセキュリティが日米とも上位だった。
これら以外に、日本ではイノベーションや創造力の維持、米国ではワークカルチャーの維持が懸念点に挙がったといい、回答企業はこれらの課題に取り組む方策として、コラボレーションとコミュニケーション、セキュリティ、自動化、HRツールなどの最新ソリューションの導入が進んでいるという。
また、ワクチン接種の普及後を見据えて、安全で健康的なオフィスの実現に向けた投資も計画されていると同社は分析。PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏は、「ハイブリッドワークが定着することを想定して、デジタルワークスペースと物理的なオフィスへの投資が今後益々重要となる」とコメントしている。
ワクチン普及後に自宅とオフィスで勤務する従業員の割合:日米比較(出典:IDC Japan 2021年7月)