花王は、Miletosが提供する経費領域専門のAI(人工知能)製品「SAPPHIRE」を導入し、花王ビューティブランズカウンセリング社で約6000人の従業員を対象に4月から本番運用を開始している。
花王では人手による従来の通勤費・交通費の精算プロセスから脱却し、グループ各社それぞれの精算プロセスを自動化することを目的に今回の導入を行った。SAPPHIREにより通勤費・交通費の精算プロセスを自動化することで、1年当たり約5万5000時間の業務時間の削減、金額にしておよそ1億5000万円の削減を見込んでいる。
経費精算とAI活用の概要
SAPPHIREは、従業員の予定情報や入退館情報などからAIが移動経路を予測し、出退勤に伴う移動なら「通勤費」、規定距離内での客先や拠点間の移動などは「交通費」といったように、税制・規定上のルールに沿って勘定科目を自動で仕訳し、ユーザー企業の基幹システムに連携させる。
申請者は自動作成されたデータの内容を確認するだけ、上長・経理担当者・人事担当者は申請者が追加・修正したデータのみ確認を行えばよいため、申請から承認までの負担は大幅に軽減できる。
さらに人手が介在しないプロセスを用いており、介在した場合はチェックすることが可能。遠回りで申請するなどの不正経費利用や、意図しない二重申請などが発生しにくく、統制強化も図ることができる。