愛媛銀行は、8月中に開始するトランザクションレンディング向けに、Dayta Consultingが提供するAI(人工知能)審査サービスを採用した。
トランザクションレンディングは、主に財務情報から借入条件(借入可能額および借入利率)を決定する従来の融資形態ではなく、日々の取引データである口座入出金情報などから借入条件を決定するもので、FinTechを代表する新しい融資形態のこと。
AI審査サービスは、複数行のデータを用いたコンソーシアム型(集団参加型)のAI審査モデルを活用し、推計したデフォルト確率を利用行に提供する。各利用行のトランザクションレンディングの融資残高に応じて月額利用料が定められるため、利用量に応じたリーズナブルな利用料金で、革新的なAI審査サービスを利用できる。
豊富で多様なデータをAIの学習に用いるため、債務不履行となるデータの特徴を高精度に捉えることができる。また、年に1回最新データを再学習してAI審査モデルを更新するため、最新の傾向を反映できる。さらにオプションサービスとして、推計したデフォルト確率をもとに算定した信用リスクなどを反映した「貸出金利」と、Dayta Consultingの独自モデルによる「融資可能額」を提示することも可能だ。
愛媛銀行では、AI審査サービスを利用することで、トランザクション・レンディングにおいて、(1)AI導入による回答速度の向上、(2)デフォルト確率の精緻な予測による信用コストの適切なコントロール、(3)年1回のAI審査モデル更新による最新傾向の反映・モデルの陳腐化防止――を実現できるとしている。
Dayta Consultingは、住信SBIネット銀行と日立製作所の共同出資で設立された。地域金融機関をはじめとした各金融機関に対し、まれな事象の発生を予測する日立の人工知能「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case」と、住信SBIネット銀行のデータハンドリング技術・ノウハウを組み合わせることで、法人向けトランザクションレンディングおよび住宅ローンを対象としたAI審査サービスを開発、提供している。